この日の実家の天気は晴れ予報だったけれど朝8時頃雨が突然激しく降ってきた。

しばらくすると雨もあがり
お日さまの光を浴びて庭木もキラキラ。




さあ、病院へ父を迎えにいこう。

約4ヶ月ぶりの退院
そして特養での暮らしを始める日だ。





空も陽の光に透ける葉もきれいだなぁ…




そう思っているとどこからかお線香の香りもする。この前実家に訪れた日も同じように香ってきた。


お隣の家からかもしれないな…
と頭ではそう思いつつも
心では違うことを感じている。





入院中の父は誤嚥性肺炎を起こしてから2週間以上絶飲食。お腹がすく感覚や喉の渇きの訴えも許可は出ず…
お盆を過ぎてようやく飲水から開始され徐々に食事も摂れるようになり退院も見えてきた8月下旬。


病院職員さんがコロナ感染し
8月中の退院も施設への移動も再び延期…。



面会も中止になって会えなくなり、相談員さんへの問い合わせの説明ではコロナ対策で食事は食堂ではなく自室。
離床することもなく寝かせきりの廃用症候群が気がかりな日々をもんもんと過ごしていました。

面会許可が出て再会した父は、抜かないように紐で縛った四点柵に囲まれつなぎの介護服姿




廃用症候群
はいようしょうこうぐん

内容

廃用症候群とは、安静状態が長期に渡って続く事によって起こる、さまざまな心身の機能低下等を指す。生活不活発病とも呼ばれる。特に病床で寝たきり状態でいることによって起こる症状が多い。 また、寝たきりや行き過ぎた安静状態が長く続くことによって起こる筋肉や関節などが萎縮することを廃用性萎縮という。 筋萎縮 関節拘縮 褥瘡 ウィキペディア




ようやく迎えた退院の日の移動
目を見開き
驚きと不安を感じてるような表情


これからの新しい環境の中で少しずつ離床時間を作って頂きながら新しい生活に慣れ親しんでいってもらえるのを願うばかりです。




そして今回の入院中ずっと清拭のみだったので入浴できることも心待ちにしていました。


水分にはトロミ剤が使われ、食事形態も誤嚥を防ぐためにソフト食対応になっていたけれど

これからお世話になる特養は口からの美味しい食事を大切に考えている施設。歯科医院が母体にある為施設内で嚥下能力の確認や歯の治療や口腔ケアの手厚い対応がされます。口腔内の清潔保持は誤嚥性肺炎の予防に大きく役立ちます。

入れ歯も調整してもらいながら
誤嚥予防の為のソフト食から
刻み食や普通食の希望も残ってます。

入所したこの日の昼食は「敬老会」の行事食のようで後でホームページでメニューを確認するとマグロのお刺身があって

父の大好物!
味わえていたらいいなぁ





この一年半、入退院や救急外来受診など繰り返した父の体調はずっと優れない日々が続いてきました。



これからの生活の場は
24時間誰かが側にいてくれる場所へ
(父の希望でもある実家に近い施設)



認知面は
環境の変化で少し混乱ぎみで

早速
夜中に一人で動いて転倒したようですが

今は経験して体感しながら

環境に適していく時期。


(施設の方と相談し、手をつける転倒防止対応策として新たに実家でずっと使っていた食卓テーブルを持ち込むことに。)



初回面会時、最初に口にしたのは
鰻のおにぎりが食べたい。
(食欲が落ちて体調の悪いときでも近所で売っている鰻のおにぎりだけは食べることが出来ていました)



動けるうちは動きたいし
また歩きたい

心が通い合うと嬉しい

わかってもらえないと悲しい

転んだら痛かった

人がいると安心する

湯船に浸かれるのは気持ちがいい



新しい生活の場で
これからは安心して経験して欲しい

父の生き方を受け止めたあの時から
想い続けてきたことです










9月上旬の兄の命日は一日どしゃ降り。
この大切な日に虹に出逢えたよ🌟