ほんの少々昔の話3~再びの巡り逢い | 手相カウンセラー 井田東吾

手相カウンセラー 井田東吾

あなたの心に希望の灯をともす、運命カウンセリング。
手相をメインとした多角的鑑定です。




母が師匠の元に通っている頃、

その日の教材は、
膨大な量の手作りの手本集の中から、
師匠が選んでくれることが、多かったのだそうです。

その中の1首で、
母がとても心惹かれた歌があったのだそうですが、
後から探しても、その手本が見つからなかったのだとか。


歌の伝える風景は、漠然と思い出せるものの、
どうしても歌そのものは思い出せなくて、
作者の名前も聞いてなくて、

心に響く歌だった、師匠の文字が素晴らしかった、
何で認知症が進む前に、
もう一度書いて下さいとお願いしなかったんだろう、と

手が届かなくなってしまった喪失感は
ハンパなかったのだそうです。



師匠のもとをやめ、
やがて母は結婚し、兄が生まれて、
働くお母さんの忙しい日々が過ぎていきました。

落ち着いて筆を持つこともなくなった頃に、
師匠が亡くなったそうです。


ある日、母の実家を通して連絡が入りました。

書き損じのような短冊や色紙が出てきたのだけれど、
そんなものでよかったら、あなたにもらっていただけるかと、
年老いた奥様からの伝言でした。

おそらく、その他数々の手本集や作品類は、
息子さん方が引き継がれたのでしょう。

練習紙のようなもので申し訳ないのだけれど、と
それでも、何か母に遺してあげたいという、
奥様の心遣いがありがたく、
母はすぐにいただきに行ったそうです。


本当にごく数枚の練習紙でした。

でも、そのわずかな中に、
母がかつて諦めた歌があったのでした。



母は、泣いたそうです。

再び師匠と巡り逢えた気がして、
これは奇跡だと思ったそうです。



僕には、歌のことはよくわかりませんが、
人生の使命と、愛情と、巡り逢いを感じさせる、
師匠から母に届いた歌、最後にご紹介します。


 山の上に 風寒く 僧の行きかへり  黒衣ふくれて 白きえりまき 







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