僕は、今年の5月14日付の記事

人を平気であおる奴というのは、道路以外でもあおるもの

の中で、あおり運転をする人間について、自分の考えを述べました。

その後、おそらく皆さんもご存じの通り、茨城県、静岡県、愛知県であおり運転を繰り返していた「文夫ちゃん」が逮捕されました。

また、その事件が発生する前、東京の首都高速の枝川出口付近でバイクがパトカーに幅寄せされたような動画がTwitterに公開され、話題になりました。

今日は、この2つの事件のうち、バイクの事例について、僕なりの考えをお話ししたいと思います。


***意見を書くにあたり ***
この事件について僕の意見を書くにあたり、最初に述べておきたいことがあります。
僕の考えに対して、おそらく賛否両論あると思います。
僕はそれは当然だと思っています。以前のブログでもそれは書いてます。
同時に、人の意見を罵倒して、無理にふたをしようとするのもやめた方が良いと僕は思います。
賛同する人、否定する人、それはどちらの側の人も認めるべきです。
相手の意見を冷静に受け止め、尊重しましょうというのが、僕の基本的な考えです。
****************

■「バイクがパトカーに幅寄せされたという動画」について

この動画を見たことがない、見てみたいという方は、こちらから見てみてください。

この動画は、Twitter上に投稿されたものです。

https://twitter.com/okn_rsvvvv/status/1148991261912662016?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1148991261912662016&ref_url=https%3A%2F%2F9post.tv%2F274355

確かにこの動画を見ると、左車線にいたパトカーが右の車線に寄ってきています。

このとき、お巡りさんは「だめだ、あぶねぇ」と言っています。

その後、お巡りさんは、

「てめぇ、なめてんじゃねーぞ、※△バイク」 (※△は、よく聞き取れない)

その後、パトカーは2つの車線にまたがり、バイクが追い越すのを妨害しています。

最後は、「出口から出ろ」とスピーカーで命令。



この一連のパトカーの行動について、これを投稿したバイクの当事者(ライダー)と思われる人は、この動画を投稿するとi一緒に、次のように書いています。

「これ俺のどこが悪かったん?
俺が追い越そうとしたから?
動画見返すと完全に後方確認せずに車線変更しようとしてるよね?
警察車両の追い越しがダメっていうなら仕方ないけどさ。この後枝川で降ろされた」

しかし僕が思うに、このライダー、事実を相当誤認してると思います。
僕はこのライダー、物事の考え方がかなりヤバいんじゃないかって思います。

 

文章の内容から見て、世間に味方してもらいたくてわざとこういう内容で書いたというより、本人は本心でそう思っている節があります。
本心でそう思っていたとすると、このライダーは反省しませんので、また同じような事態になる恐れもあると思います。


では、このライダーはどこを事実誤認しているのか

(1)「これ俺のどこが悪かったん?俺が追い越そうとしたから?」

核心部分なので、これは後にします。

(2)「完全に後方確認せずに車線変更しようとしてるよね?」

動画を見落とさないように、よく見てください。
パトカーは幅寄せをする直前、ウインカーも出しているし、赤色灯も灯火させています
しかも、幅寄せの直後に、

「だめだ、あぶねぇ」

と言っています。

完全に後方確認していないとこのライダーは主張しているのですが、パトカーがこういう行動を取った事について、このライダーの主張の内容では、明確な説明ができないです。

パトカーは間違いなく、このバイクを認識していると僕は思います。
それは、
・幅寄せをする直前、ウインカーを出している
赤色灯も灯火させている。
・「だめだ、あぶねぇ」と発している。

僕は、赤色灯をつけてウインカーを出して幅寄せすることにより、バイクに(追い越さないように=スピード違反をしないように警告したと思いました。
そうやってバイクを制止しようとしたけど、それでもバイクが追い越しそうにギリギリまで寄ってきたので、

「だめだ危ねぇ(これ以上寄せるな)」

と言ったのだと思います。

このように考えた方が、パトカーの行動を上手く説明することができるのです。

パトカーや白バイは、違反車両などを発見した場合、赤色灯をつければ緊急的な行動を法律上取ることができます。
今回の動画でも赤色灯をつけているので、これは何らかの緊急行動と考えられます。

皆さんは、TVで「警察24時」などのドキュメント番組を見たことはありませんか?
警察は、例えば暴走する自動車を静止するために、時には幅寄せもすることがあるようなんですね。

こういう映像は、この種の番組でたびたび流されていますよね?
今回も赤色灯を灯火しているので、それに準ずる行動だと思われます。

そもそも、警察は、赤色灯を意味なくつけるわけがありません
その赤色灯が別の事件の無線が入ってたまたま赤色灯をつけたというのなら、バイクなんてほうっておいて、すごいスピードで走り去っていくはずなんです。
でも、このパトカーは走り去ることはなく、赤色灯もすぐに消しています(そのあと、車線をまたがったのは、あれは僕もまずかったと思いますけどねぇ)。
だから明らかにこの赤色灯は、このバイクに対して行われた行動なのです。

したがって、ライダーの「完全に後方確認せずに車線変更しようとしてる」というのは、僕は全く同意できません


「完全に後方確認せずに」という主張の根拠はどこにあるのでしょう?
全然根拠などないんです。むしろ僕の説明の方が、パトカーの行動を説明できるのです。
したがって、このライダーは、この部分で事実誤認をしているわけです。



では次に、(1)の

これ俺のどこが悪かったん?俺が追い越そうとしたから?」

について、私の考えを書きます。

「これのどこが悪かった?」と、こういう書き方をしているということは、このライダーは、自分が追い越そうとしたことについて、まったく悪いこととは認識していないと思われます

しかし、皆さんは、パトカーと一緒に走ったことはないでしょうか?
一度でも一緒に走った人はわかると思います。

パトカーは緊急時以外は、かならず制限速度ぐらい(以下)で走っています
その速度は、ほとんどの場合、制限速度ギリギリ、またはそれより2~3km/h程度低い速度で走っているのです。
あまり速度がおそいと渋滞を作ってしまうし、パトカーといえども赤色灯をつけてない時は制限速度を守らなければならないので、結局このぐらいの速度になるのです。

これは首都高速のときも同じなのです。
僕も首都高速でパトカーと併走したことは何度もありますが、パトカーは首都高速の制限速度以下、制限速度付近で走行しているのです。

こういうのを見れば、

パトカーを追い越すのは即違反になるんだから、ヤバい

と瞬間的に判断するのが普通の感覚ではないでしょうか?
それぐらい気がつくでしょう。ふつうなら。

パトカーが制限速度で走っているのなら、法律上、制限速度を守るためには、絶対にパトカーは追い越せないのです。

追い越した=速度超過した、となるのですから、これは明らかな違反行為なんです。

(注:実際には、パトカーを追い越すことは可能だったりします。

私も何度も追い抜いてます。ただし、この場合、パトカーの速度と比較して、せいぜい2~3km/hぐらいの差でおとなしく追い抜けば良いのです。お巡りさんも人の子です。ゆっくりそろそろと追い抜く分には大目に見てくれるようなんですよね。もちろん追い越さないのがベストなんですけど。)

でも、この動画の最初の方を見るとわかりますが、このバイク、パトカーに追いつくまでかなりのスピードを出しているのです。
バックミラーで見てもスピードが速いというのはすぐにわかるほどの速度差です。

つまり、このバイクは、制限速度を超えるとんでもない速度でパトカーを追い越そうとしているのです。

言い方悪いけど、、、、バカなんでしょう。
こんな簡単なこと、気がつけよって話なのです。
制限速度付近で走っているパトカーを、あんな速度差で追い越したらどうなるのか、こんな簡単なことに、このライダーは気付いていないのです。
気付いてないから、Twitterで

「これ俺のどこが悪かったん?
俺が追い越そうとしたから?」

なんて恥ずかしいことを平気で書いちゃうのです。
僕はこんな投稿、恥ずかしい行為だと思っています。
自分の馬鹿さ加減、愚かな行動を世界中に知らしめているようなものなんです


ここで視点を変えてみます。
視点を、僕たち一般世間に変えてみます。
このとき問題となるのは、

・お巡りさんの持つイメージ
・お巡りさんに対する世間の見る目

です。

このツイートに対し、4.2万件ものイイネがついていますが、これが世間って奴です。

世間は時に間違いを犯します

僕は先ほど説明した理由により、このイイネの票についてはまったく同意できません。
以前書いた僕のブログ内容に照らせば、この件に限っては、僕が「世間知らず」な仲間に入ることになりますけどね(笑)。

では、世の中の多くの人がなぜイイネを入れたのか
僕には想像できます。

原因の一つは、先ほどあげた、お巡りさんに対する世間のイメージなんです。

お巡りさんは、男の子なら幼い頃はあこがれの職業の一つかもしれません。
しかし、年齢を重ね免許証を持つと、違反切符を切られることが多くなります。
実際に違反切符を切られたことがなくても、お巡りさんに対して「捕まったらどうしよう」という怖いイメージがあると思うのです。

なぜ「捕まったらどうしよう」と多くの人が思うかと言えば、現実的に、道路ではほとんどの車が制限速度違反をしているし、何らかの違反行為をしていることの方が多いからです。
一度も捕まったことがないとしても、それはただ、たまたまお巡りさんに見つからなくて捕まっていないという、それだけなのです。

このようなことにより、世間一般的には、お巡りさんに対するイメージ、特に交通取締に対するイメージが悪い人の方が多いはずです。

私は心理学を勉強したことがあります。
心理学で「バイアス」という用語があります。
メンタリストDaigoさんも、時々この用語を使ってますよね?

バイアスというのは、なんでしょうか?
人間は、初めから平等な冷静な思考や判断をすることは、実はなかなか難しいのです。
なんらかの偏見や思い込み、トラウマなどにより、本人は冷静に平等な判断をしているつもりでも、その思い込みや偏見、トラウマに影響を受けてしまって、正しい判断ができないのです。


このように心理的に、判断する際に無意識に加味されてしまう働きをバイアスといいます。

(例1)実はたいして美味しくないのに、みんなが美味しいと思うと美味しいと感じてしまう。
これは、同調のバイアスが加わってしまって冷静な判断ができていない状態です。

長い行列があるので食べてみたけど、美味しいとは思えなかったあなたは、まだ救われてる可能性があるます。正常な判断を失っていませんので。

(例2)去年あれほど好んできていた服なのに、流行が変わっちゃったので恥ずかしくて着れない。
これは逆に、去年引っかかった同調のバイアスが、今年外れちゃったということです。目が覚めたってことです。
こういう流行に乗りやすい人は、毎年別の同調をして毎回違うバイアスを受けてしまう傾向があると思います。

結局そういう人は、アパレル業界に操られているのです。

流行ってアパレルが勝手に決まるものです。

なぜ一部の業界が決めた流行に簡単に乗ってしまうのか、マジで研究してみたいですよね。

お巡りさんの場合、特に取り締まりの場合は、大人の人はどちらかというと怖いようなマイナスイメージを持っている人の方が多いはずです。

「お巡りさんの取り締まり、だぁ~い好き!」(はずきルーペのCMじゃないですよ。)

なんていう人は、数はそれほど多くはないだろうというのは、いちいち統計を取らなくたって、皆さんも感覚的に納得いただけるのではないかと思います。
(それほど多くないと言うより、僕はそんな人いないんじゃないかって思ってますけど。)

お巡りさん、特に取り締まりには、良いイメージがない

これがバイアスになります。

パトカーが幅寄せするシーンというのは、さすがに衝撃的だと思います。
そこに「お巡りさんのイメージが悪い」バイアスがかかれば、普通の人はごく自然に

「なんだこのお巡り!」

となってしまうのです。

冷静な状況判断ができず、「お巡りは真面目にやるべきだろ」というごく常識的な考え方が悪い方に災いして、バイアスに操られて、簡単に「お巡りがが悪い」と判断してしまうのです。

これが世間の現実です。

もう一つ、こうなってしまいやすい原因としてあげられるものがあります。
それは、先ほども書いた、

ほとんどのドライバーは、嫌でもスピード違反をしている

という現実です。

私の体感では、一般道では制限速度+10kmで走らないと、あおられる対象になりやすくなります

40km/hどうろであれば、50km/h位出さないと、後ろからあおられる形になるんです。わかりますよね?これ。
 

日本人はそもそも人に忖度する民族ですし、あおられるの怖いから、「みんなの流れにあわせるほうが安全」というような、まことしやかな自分勝手な理由にかこつけて(スピードを上げて安全なはずないじゃないですか)、みんな制限速度+10kmで走ってしまうのです。


でも、心の中では「自分は今、+10km違反して走っている」ということには気付いているはずです。
気付いているから、ミラーでパトカーや白バイを見るけると、みんな急に速度を落とすのです。
捕まりたくないから。

つまり、運転している大多数の人は、制限速度よりも速く走るのが当然に、当たり前になってしまっています。
高速ではスピードを出すものだと思ってしまっています

これが一種のバイアスみたいになっちゃうんですよ。

これがやばいんです。
ちなみに、首都高速では、みんな平均速度は80km/h位は出してます制限速度+20kmでみんな走るんです。
それが当たり前になってしまっているのが問題なのです。

そこに時速60km/h(首都高速の制限速度は60km/h)のパトカーがいたら、


「なんだおせえな」
 

と思ってつい、抜いてしまう人も出てくるわけです。


今回の動画のバイクライダーも、そういう一人だったのではないでしょうか?

で、多くの人はそういう走り方を当たり前のようにしてますから、

「パトカーは制限速度で走っている」というわかりやすい事実にすら、気付いていないのです。
だから、パトカーを抜くこと自体が速度違反になるということに、きっと気付いていないんです。
 

だからこそ、猛スピードでパトカーを抜こうとした違反者に対して、平気でイイネを押してしまうのです。

これが、4,2万件の反応です。

パトカーを抜くこと自体が違反なんだよって事に気付いてないからイイネを押してしまう。
世の中がいかに、バイアスや思い込み、日頃の習慣などによって行動や考え方が左右されてしまうかという、とても良い(良いのか?)見本だと、僕は思います。

さらにいえば、1万件もの賛成票が入っていたりすると、それをみて更に別のバイアスが投票者にかかってしまいます
画面に表示されている投票数に引きずられて、自分も多数派に投票しやすくなるのです。


黒い烏なのに、クラスのみんなが「シロだ、シロだ」と大声で言った場合、自分もシロだって言ってしまう人って、多くないですか?

あなたは、クラス全員に反して「黒だ」と言い張る自信はありますか?

それと同じです。


逆に、あまのじゃくな人は、こういう場合はイイネをしにくくなるのです。
人間にはいろいろなバイアスが常にかかるのです。


でも皆さん、考えてみてください。

このお巡りさん、本当に悪い奴ですか?(笑)

このお巡りさん、確かに口がすごい悪いけど、明らかに違反してるライダーを捕まえなかったんですよ?

幅寄せとかして無理にスピードを下げさせるという実力行使は、僕も良くなかったなと思います。


でも、幅寄せしすぎず、危険と判断したら「だめだ、あぶねぇ」といったんやめてますよね?
これが茨城の「文夫くん」だったらきっと、パトカーを横付けして完全停止して、ボコボコに殴り、ガラケーで写真を撮るかもしれないんですよ?(笑)

パトカーが代車って事はないと思うけど。

でも、このお巡りさんは捕まえることはせず、首都高から追い出しただけで済ませてあげたんです。

 

白バイとかに捕まると、

「点数稼ぎしやがって。」とか、

「今の時期は、お巡りの点数稼ぎで取り締まりが厳しくなるんだよな。」とか、

なんかそういう「お巡りさんが点数稼ぎしてるんじゃないか」という都市伝説みたいな噂ってよく聞きません?

 

もしそれがほんとなら、このパトカーのお巡りがほんとに悪い人なら、喜んでバイクを抜かさせて、抜いた後に制限速度違反で捕まえて点数を稼げば良いじゃないですか。

でもこのパトカー、そんなことしてませんよね?

点数なんて稼いでませんよね?

これで何もかも悪いと決めつけられるのでしょうか?

 

2車線にまたがって走るとか、「てめぇ、なめてんのか」みたいな言動は確かに良くないと思います。

でも、結果的にライダーは無罪放免なんですよ。

怒っていたわりには、このお巡りさん、僕はメチャクチャ甘いと思ったんですよね。

本気で怒ってたら、わざと抜かさせて捕まえるってできるんですから。

 

世間の皆さんは、そういう所は全然気付いてないというか、くみ取ってあげてない気がします。

これもまた、お巡りさんイに対する悪いイメージというバイアスがかかってるから、そういうことに気付きにくくなっているのでしょう。


お巡りさんが違反にしなかった(というか、違反を未然に防いだというのは、僕は実は優しいお巡りさんだったからじゃないかって思うんですよね。

そもそも、警察って、「違反を未然に防ぐ」って、実はほとんどやらないって知ってますか?
目の前で違反しそうな車がいても、違反するまでなんの警告もしないでただ見つめているのですよ。

一般のお巡りさんは、そういう行動を取るように、上から指導されてるようです。
そして違反したら、パオーンって慣らして違反切符を切るのです。これが実際なんです。


警察によると、なぜそうするのかというと、
「違反者をちゃんと捕まえれば、それが警告となり、結果としてこれが抑制効果になる。」
これが警察の論理らしいですよ。
これには僕も全く納得できないですが。

言ってることがメチャクチャというか、言ってることがわけわからない。

そういう警察全体の一般行動に対して、あのパトカーのお巡りさんはバイクが違反することを事前に防ぎ、結局逃がしてあげているんですよ。
言葉はすごく悪いお巡りさんですけど、口が悪いだけなんですよ。
そういう人、知り合いにもいませんか?

いますよね、そういう性格の人。
世間の人は、どうしてそういう所に目を向けないのでしょうか?

繰り返しますが、そもそも悪いのはライダーの方です
あんなスピードでパトカーを抜こうとする方がそもそも悪いんです。
明らかなスピード違反ですよ。

だから僕は、このお巡りさんを責める世間の反応ってなんなんだろうと思います。
世間が、もう少し冷静に、別の判断ができるようになれば良いのにと思います
自分のかかっている心理バイアスに気づき、そのバイアスを振り切って冷静で正しい判断ができるようにみんなになってもらいたいと、強く思います。
 

僕自身もバイアスに縛られてるんだろうなと思いますが、でも僕はバイアスという概念に気付いてますので、バイアスに負けないで正しく判断しようという努力をすることはできます。
実際、できるだけ平等に冷静に判断しようと努力はしています。

 

みなさんも、いろいろなことに対して、何が真実なのか、もう少し冷静に判断できるようになれたら良いですよね?