実は最近、急にTVTestでふたたび音がプチプチと途切れる現象が起こり始めました。
そこで今回、ふたたびTVTestの音飛びについて、備忘録的にブログを書きます。
今回は、前回までにご紹介してきた2つの解決方法では解決できず、まったく違う角度から治す必要がありました。
今回は「灯台もと暗し」的な原因でした。
こんなの普通は気がつかないよなぁ、という感じでした。
今回のトラブルは、かなり意外な原因だったので、「どうしても音が途切れて治らない」という方は、今回ご紹介する意外な原因に当てはまらないかどうか、一度チェックした方が良いかもしれません。
なお、TVTestの音(途切れやズレ)に関して、すでに2回ブログを書いているので、そちらも参照いただけたらと思います。
●関連するブログ
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・TVTestを最大化すると音飛びするとき
https://ameblo.jp/tomosan2005/entry-12375662318.html
・TVTestを全画面(フルスクリーン)表示したときの音ズレ(および映像の崩れ)
https://ameblo.jp/tomosan2005/entry-12385338050.html
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■概要
結論から書きましょう。
今回ふたたびおきた音が途切れるトラブルは、これまでの方法では治せませんでした。
なぜ、今回はいままでの方法で治せなかったのか?
原因は、
LANケーブルの破損
でした。
つまり、物理的な原因なので、ソフトウエアの設定などで治せるわけがなかったのです。
普段あまり気にしていないLANケーブル。
ここに落とし穴があったとは。
灯台もと暗し。
■私のTVTest視聴環境
*今回の修理に直接関係がないと思われるものは省略しています。
●ハードウエア環境
1.TVの映像を配信するためのPC(TVサーバー)
・CPU:Intel Core2 (TVの配信位でしたら、この程度のCPUで十分)
・メモリ:12GB
・Windows10 Ver.1903 (64bit)
2.TVを視聴するPC
・CPU:Intel Core i7(第6世代)
・メモリ:16GB
・Windows10 Ver.1903 (64bit)
・Cドライブは256GBのSSD
・Blu-rayドライブ
3.LANの接続状況
私の場合、複数のハブをつなぐ「たこ足配線」ではなく、大本のブロードバンドルータから、できるだけ放射状にLANを形成させる形にしています。
LNAの物理的な接続は、次のような感じです。
ブロードバンドルータ(LANポートは4個)
|
|---NAS
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|---TV視聴用PC(居間1)★
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|---寝室のPCへ
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|---ハブ(居間2) ★
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|---TVサーバーPC ★
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|---プリンタ
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|---ハブ
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|---その他のPC
(最近使ってない)
今回トラブルを見つけたのは、★の部分です。
●ソフトウエア環境
1.TVの映像を配信するためのPC(ここではTVサーバーと呼びます。)
・TVTest Ver0.9.0-dev(x86) (予約録画に使用)
・Spinel(他のPCへのTV映像の配信に使用)
2.TVを視聴するPC(ここでは視聴パソコンと呼びます。)
・TVTest Ver0.9.0-dev(x86) (TVの視聴に使用)
・ImgBurn(最新)
■今回起こったトラブル
(1)TVTestで、プチプチと音が途切れる。
(2)なぜか音が途切れやすいTV局と、そうでもないTV局がある。全国ネットのテレビ局は意外と大丈夫(それでも調子が良いとは言えないが)。
(3)MPEG-2デコーダを変更しても直らない。
(4)TVTestの設定の中にある「映像と音声のPTSを同期する」や「音声レンダラのクロックを使わない」などの設定、あるいはバッファの設定などをいろいろいじってみるものの、全く改善しない。
(5)突然録画に失敗することが多くなった。
昨日までどうやっても解決しなかったので、もうお手上げかと思いました(笑)。
寝る直前に、ふと、
「まさか物理的な原因なのか?」
と思いついたのが、解決のきっかけでした。
■TVTestのトラブルとは関係ないと思い込んでいたトラブルも
*実は,解決の糸口は、こちらのトラブルを解決する過程にありました。
(1)ImgBurn(DVDを焼くソフト)の処理速度が、やたら遅くなった。
TVサーバーで録画したTSファイルを、LAN経由で視聴パソコン側のImgBurnを使ってDVDやBlu-rayを焼こうとしました。
ところが、DVDを焼いたりISOファイルを作ったり、なにをやってもやたらに時間がかかるようになりました。
処理速度は×0.5(0.5倍)のように、通常より遅い速度になってしまっていました。
しかも、ImgBurnのログからは、三角の注意を表すマークが続出しました。
(2)サーバーPCと視聴用PCの間でのファイル転送がやたら遅い。
これは上記の(1)に関係します。
どちらのPCも1000Mbps対応のイーサネットアダプタ搭載なのですが、トラブルが起きているときの転送速度は、せいぜい25Mbps位しかでなかったことが判明しました。
スループットは、ひどいときは2%位しかでていなかったのです。
これはつまり、1000Mbpsの能力のうちの2%しか活用されていないということです。
[参考]スループットは、タスクマネージャーの[パフォーマンス]タブで、LANの詳細を表示することで、リアルタイムで調べることができます(注意:実際に送受信しているときでないと測定できまないので、送受信しながら測定する)。
■原因がはっきりと判明
LANケーブルがすべての原因でした。
まさかとおもって、TVサーバーがつながっているハブのLEDランプを見ると、ルーターとハブの接続部分のLEDがオレンジ色。
オレンジ色というのは、たいがい100Mbps接続のときです。
1000Mbps接続のはずなのに、ルータとハブの間が100Mbpsでしか接続されていなかったのです。
これがすべての原因でした。
しかも、トラブルを起こしていたLANケーブルは、直接PCをにつないでいたものではなく、ブロードバンド-ルーターからハブに接続していた部分のLANケーブルでした。
(先ほどのLANの接続図で、赤い線で示したところです。)
TVサーバーPCと視聴用PCは、先ほど示したように、それぞれブロードバンドルーターから枝分かれするような系統で別々に接続していました。
このため、普段使いの視聴PCではこのトラブルの影響を直接的には受けなかったため、LNAケーブルの影響だとはすぐに気がつきませんでした。
■解決の具体的方法
この際だと思い、ブロードバンド-ルーターからハブ(TVサーバーを接続)に接続していた部分のLANケーブル(フラットケーブル)をはじめとして、TVサーバーに接続するLANケーブルや視聴用PCのLANケーブルを、すべて新品のカテゴリ6A(10ギガ対応)に交換しました。
これにより、ハブのオレンジ色の光は、緑色(1000Mbps接続を表す)に変わりました。
そしてTVTestで視聴をしてみると、いままでの音のプチプチ途切れが全く起こらなくなりました。
快適な視聴環境が戻ってきました。
解決です。
結局、ブロードバンド-ルーターからハブに接続していた部分のLANケーブルが中途半端に破損していて、100Mbpsでしか接続できていなかったため、これがボトルネックになって、LANを使用したすべてのソフトに不具合がでていたわけです。
どうせなら通信できないほど壊れてくれれば、すぐにケーブルだと気がついたのに。
その後、TVサーバーPCとTV視聴PCの間のファイル転送のスループットを調べると、
修理前: 25Mbps程度
修理後:900Mbps程度
と、本来の1000MbpsLANの実力が戻ってきていました!
■トラブルはこのようにして起こった
今回のトラブルをまとめると、次のような感じでトラブルが起こったものと思われます。
(1)まず、ブロードバンド-ルーターからハブ(TVサーバーを接続)に接続していた部分のLANケーブルが破損。
完全な破損なら通信できなくなるのですぐ気づいたと思うが、中途半端に100Mbps接続はできていたので、気づくのが遅れた。
(2)TVサーバーを接続していたハブとルーター間でLANケーブルのトラブルが起きているため、TVサーバーの送受信で100Mbpsというボトルネックが発生。これ以上の速度は物理的に出なくなった。
(3)本来TVサーバーからもらえるはずのTV映像データが、TV視聴パソコンのTVTestへ正常に送られなくなり、それが原因で、TVTestで音が途切れたりするようになったと思われる。
これも中途半端に通信/視聴できていたため、音切れの原因がスループットにあると気づくのが、かなり遅れた。
(4)TVサーバーの通信がダメなので、TVサーバーと視聴パソコン間でのファイル転送も25Mbps程度というかなり遅い転送速度になってしまった。
(5)(4)と関連して、視聴PC側のImgBurnにてTVサーバーで録画した映像ファイルをDVDディスクにしようとしても、PC間のデータ転送がやたら遅いため、結果としてImgBurnでDVDを焼く速度までが遅くなった。
(6)このような通信トラブルのためか、TV録画自体にも影響を及ぼし、原因不明で録画に失敗することが頻発した。
■まとめ
たった1本のLANケーブルの不調が、これだけたくさんの不具合を発生させるとは、夢にも思いませんでした。
こんなことがあるんですね。一つ勉強になりました。
トラブルを起こしたLANケーブルは、ふだん人が近寄らない壁沿いに敷設してあったので、「まさか」という感じでした。
どうしてLNAケーブルが急に壊れたのかわかりませんが、使用しているLANケーブルの形状が「フラット」だったことがとても気になりました。
フラットケーブルって圧力などに弱そうで、確かに買ったときからなんとなく不安ではありましたが、実際にこういうことになるとは思ってもいませんでした。
今回新しく交換したLANケーブルは、フラット形状をやめ、すべて標準の(断面が丸い)LANケーブルにしました。
今回のような「気づきにくいトラブル」は、もうごめんです。
今回学んだのは、
「TVTestの音が途切れるトラブルは、必ずしもソフトウエアによるものとは限らない。
場合によっては、ッケーブルを調べてみるなど、物理的な原因まで視野を広げて探索をやってみないとだめかもしれない。」
ということでした。
テレビ視聴PC自体には問題がないのに、ルータとハブの間のケーブルが原因で様々なトラブルがでるという意外な展開。
LANケーブルが突然壊れるというようなトラブルは予想がしにくいので、みなさんも、十分お気をつけください。