前回、
「自分が知っていることを売ればいい」
と言われても、
私が知っていることなんて、
Googleで検索すれば分かるようなことばかり。
そう思っていた頃のことを書きました。
発信することもない。
得意なことも分からない。
人に売れるようなものもない。
だから私は、
「私は凡人だし、
人より勝る得意なことなんてない」
と思っていました。
「私には何もない」
本気で、そう思っていたんです。
でも、
そんなふうに思っていた私も、
それまで何もせずに
生きてきたわけではありませんでした。
仕事も、いろいろ経験してきました。
正社員で接客業をしていたことがあります。
接客業は、
長く続けた仕事のひとつです。
受付も、
正社員で経験しました。
事務の仕事はパートで、
これも長く続けた仕事のひとつでした。
そのほかにも、
派遣で工場に行ったこともあります。
掃除の仕事もしました。
洗い場の仕事もしました。
この3つは、どれも1日だけでした。
重労働だったことや、
職場の雰囲気など、
すべてにおいて心労しかなく、
2回目以降、
勤務することはありませんでした。
そうやって振り返ると、
私はいくつかの仕事を経験していました。
仕事をしているときには、
困っている人がいれば手伝う。
忙しいところがあれば入る。
人間関係を取り持つ。
お客さんに対応する。
そんなことも、
普通にやっていました。
でも当時の私は、
それを自分の得意なことだとは
思っていませんでした。
まして、
「これは私の強みです」
なんて考えたこともありませんでした。
自分のことを考えてみても、
せいぜい、
「人当たりはいいかな」
と思うくらいでした。
それ以上のものではなかったんです。
だから、
「あなたの得意なことは?」
と考えると、何も出てこない。
「人に売れるものは?」
と考えても、やっぱり何も出てこない。
仕事はしてきたけれど、
それと、
「私に何があるのか」
ということが、
当時の私の中では
まったくつながっていませんでした。
そして、
それは仕事だけではありませんでした。
結婚してからは、
主人が仕事中心の考えだったので、
家のことも、一人でやっていました。
家事。
育児。
人付き合い。
全部、一人でやっていました。
でも、
その頃の私には、
「私一人で、こんなに頑張っている」
という感覚もありませんでした。
とにかく、
全部一人でやるのが当然。
家庭のことは義務。
やって当たり前。
そう思っていました。
だから、
自分がやってきたことを並べて、
「私はこんなことをしてきた」
なんて考えることもありませんでした。
仕事をするのも当たり前。
困っている人を手伝うのも当たり前。
忙しいところに入るのも当たり前。
家のことをするのも当たり前。
子育ても、
人付き合いも、
自分がやるものだと思っていました。
特別なことをしているつもりなんて、
まったくなかったんです。
だからこそ、
ネットで
「自分が知っていることを売ればいい」
と言われたとき、
私は困ってしまったんだと思います。
私が思い浮かべていた
「人に売れるもの」の中に、
それまで自分が普通にやってきたことは
入っていませんでした。
接客業をしてきたことも。
受付をしてきたことも。
事務の仕事をしてきたことも。
仕事の中で、
困っている人を手伝ったことも、
忙しいところに入っていたことも、
人間関係を取り持っていたことも。
家事も。
育児も。
人付き合いも。
私にとっては、
どれも、
「やってきたこと」
というだけでした。
それ以上でも、
それ以下でもありませんでした。
だから、
やっぱり私には、
そんなものはないと思っていました。
人より勝る得意なこともない。
誰かに渡せるようなものもない。
私はただ、
普通に仕事をして、
やらなければいけないことをやって、
生活してきただけ。
あの頃の私は、
それを疑うことさえありませんでした。
だって、
私にとっては全部、
「やって当たり前のこと」
だったからです。
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