大晦日
子どもの頃から大晦日が1年でいちばん好きな日だった
母親の仕事が普段より早く終わり
私と父親で迎えに行き、夜はテレビを見ながら
すき焼き。
毎年、同じパターンだったが、私は楽しみにしていた
そんな1年でいちばん大好きな日に
40週ちゃんとお腹にいたのに1950gで
産まれた娘は、すぐに肺が破れ
元旦の朝、陶生病院のNICUから
より技術の高いコロニーへと運ばれた
呼吸器をつけ酸素濃度は100%。
今夜がヤマだと言われながらも
娘は生きた。
人間の生命力ってすごいんだ。
出産に立会い、
医師から辛い告知を受け
夫はそのまま初日の出の中継リポートの仕事に行った。
最初に夫が撮った娘の写真。
今でも私の手帳に入っている。
大きなベッドにたくさんの機械につながれ
寝かされていたらしい。
ピクリとも動かなかったが
夫がカメラのフラッシュをたくと
まぶたを動かしたとのこと。
「大丈夫」 瞬間的にそう思ったらしい。
一ヶ月後、先天的に障がいがあることが分かり
21リングモノソミーと言われた。
「お母さん、あなたの人生あきらめて下さい」
そう言われたこともあった。
でも、私はあきらめない。
障がいがあったっていいじゃないか。
愛があるんだから。
私の好きな言葉は
「生きてるだけで丸もうけ」
どんなに貧しくとも
どんなに苦しくとも
生きていれば必ずいいことがある
私はそう思う。
娘を見て「かわいそうね」という人もいる。
娘にかわいそうかどうか聞けないので
真意は分からないが
でも、娘は幸せそうに見える。
13年間、たくさんの幸せを与えてくれた娘
そして、これからも・・・。
来年もいっぱい笑おうね。
美優ちゃん、お誕生日おめでとう