インフルエンザのワクチン接種にかかりつけの小児科に行ってきた。

息子は、6年生ともなると、お兄ちゃん面して、泣きわめく赤ちゃんを余裕綽々で眺めている。

ところが、先生の前では甘えた表情を見せる。

「勉強頑張ってるか?」
「…」
「先生が気合い入れてやるぞ」

わき腹をくすぐられて、ネコみたいに喜んでいる。

ここの先生、6年前にお父さまの医院を継がれた。

当時県立病院で働いておられ、迷った末、「親孝行すべきかなあと思ってね」と決断された。

私は相手がどんな職業の方でも、知りたいことは率直に尋ねる。ネットで調べるより、早く正確な情報が得られるから。

ましてや、子どもの主治医となると、どんな質問にも即座に分かりやすく答えてくださることを期待する。

その点、ここの先生、誠に的確に話をされ、こちらの思い違いをきちんとただしてもくださる。

年代が同じこともあって、私は好きなタイプだ。

でも、継がれた当初、インテリっぷりが鼻につき、「そんな態度じゃ、お母さんたち嫌がって来なくなるかも」なんて心配した。

子どもを診てもらう度に、「今どきの若いお母さんは言葉遣いがなってないし、非常識な人が多い」と愚痴っておられたし。

ある時なんて、「診察室の陰で、僕とのやり取りをこっそり取材してみたら?びっくりするよ、きっと」なんて言ってたっけ。

一番腹立たしいのは、病状がかなりひどくなるまで放っておく母親が多いことだという。

自分の都合ばかり主張する人、先生の対応が悪いと逆ギレする人、聞いてるだけで口あんぐり。

親への対応に困っているのは学校だけじゃないみたい。

小児科を志望する学生が減っているのもそのせいだろうか。

私は「先生」と名の付く人たちの言葉を、親は一歩も二歩も下がって素直に聞くべきだと思っている。

教育や指導は、上下関係があってこそ成り立つと感じるから。

先生側に問題がある場合は論外だが、少なくとも、わが子のために力を尽くしてくださる相手。

敬いこそすれ、タメ口をきくなんて言語道断である。

待合室の混雑ぶりを見る限り、患者が減っているということはなさそうでホッとした。

きついセリフを言われても、ちゃんと聞く母親も多いってことだし。

開業医さんは、地域の先生という役割も担っていると思う。

お忙しいとは思うが、子どものみならず、親の指導にも頑張ってほしい。