入院5日目 手術のこと、手術後のこと | 毎日釣りのことばかり・・

入院5日目 手術のこと、手術後のこと

2010年1月23日 


はっきり言って、なめてた。手術を。


そんなものたいしたことじゃない、と。


でもイザ、手術を受けてみて、肺の左半分を取られてみると、

その肉体的なダメージと、精神的なダメージは予想を超えていた。



昨日、速報にて「手術無事終了」のご連絡をさせていただきましたが・・


tomorimoは大きなダメージを受け、HPは瀕死の状態です。



さて、

改めて昨日の詳報を。。。



12時、病室にて手術着に着替える。

下着はふんどし状の「T字帯」なるもの。

いよいよそのときが近づいている。


担当ナースから「さあ行きましょうか」の声。

病棟11階から手術室のある2階へエレベータを使い歩いて向かった。

私と妻と、担当ナース。


手術室前。

中から呼ばれるのをしばし待つ。

担当ナース「落ち着かれてますね!」

妻「なんか平気そうじゃない!」


そう、自分の心は落ち着いていた。


どうせ全身麻酔。苦痛は麻酔を掛けるときだけだ。と。


12時30分。手術室へ呼ばれる。

本人確認。

いざなわれるように手術台へ。


麻酔は2階行われる。

一つ目は、「硬膜外麻酔」

背骨の硬膜に麻酔を送るチューブを挿入するもの。


手術台で横になり、身体をエビのように丸め、背中の背骨中心に針が刺さる感触を得る。

痛みが走る。


その後、全身麻酔。

これは点滴チューブから麻酔薬が送り込まれるそうだが、覚えていない。

知らないうちに気を失っていた。









遠くから呼ぶ声が聞こえる。

「tomorimoさん、終わりましたよ」と。


一瞬、「ここはどこだ?」と感じたがすぐ手術は終わったんだな、と気がつく。


頭が痛い。まるでひどい二日酔いから醒めたときのようだ。


身体は左の肩から左胸まで激痛が走る。

どうも胸部左側面からメスを入れるため、左腕を上部に固定されていたようだ。

そのため、左胸筋肉が痛くてたまらない。


集中治療室へ。

ここで、妻と母に面会。

「いま何時?」と聞くと「4時半ごろ」と答えが帰ってきた。


そうか、大体4時間掛かったんだな。


「術後の説明は聞いた?」妻に尋ねた。

「聞いた、取った肺も見せてもらった。。やっぱり癌だったんだって」

「そうか・・・」



身体は身動きが出来ない。

左胸から左肩への痛みもそのせいだが、身体にはチューブがたくさんつながっている。


・尿管=尿道へパイプが挿入されていて、ここから尿を排出するもの。

・肺の内部の水を取るためのパイプ。左胸から。

・酸素吸入=鼻へ

・点滴=左腕へ

・痛み止め注入パイプ=左肩甲骨あたりへ

・酸素濃度測定=右手人差指へ


全部でこれだけの管が身体に繋がっている。


全体的に息苦しい、身体は弱りきっていた。


6時半ごろ母が帰宅した。

集中治療室で妻と二人になった。


「こんなことになってごめん・・」

献身的に看病してくれる彼女には謝る言葉しか出なかった。


何故か涙が出てきた。

いろんな人に、家族に、妻に迷惑を掛けている自分が情けなくて。





携帯を見ると、ブログコメントがたくさん転送されていた。


本当に皆さん、ありがとうございます。

ご心配をお掛けしています。


妻に頼んで、「手術無事終了」のブログエントリーをしてもらった。


9時。妻が帰宅した。


消灯された集中治療室の中で、まんじりとした夜を過ごした。

睡眠導入剤の効果はなかった。


夜中、いろいろ考えた・・

「自分はいろんな人に助けられながら生きている・・」

感謝の気持ちと申し訳なさでまた一人感傷的になった。




本日朝、

左胸の痛みは少し和らいでいた。

陰茎に刺さった尿道チューブに違和感がある。

身体が重い。


それでも朝食(おかゆ)はきちんと食べた。体力回復しなければならないから。



10時半。

担当ナースが身体を拭いてくれると。。。

ベッドから身を起こし、熱いタオルで全身をぬぐってもらった。

もうなされるがままの赤ん坊のような状態。


「尿管抜きますね」


ええ、いまかよ。

「ちょっと痛いですよ・・」


陰茎から尿管を抜く。

痛いというより、適した表現が出来ない不快感。

これは二度と経験したくない。。


そして管が4本取れた。あと2本。

肺のチューブは明日抜くそうだ。


歩けるようになった。





いま、土曜日の12時。

昼食が運ばれてきた。


食欲を感じる自分がいる。


何故か、「自分は生きてるんだなぁ」と実感できた。


そして今回感じた「感謝の気持ち」を忘れてはならないと、しみじみ思う。



みなさん、本当にありがとう。。