田辺聖子著「ジョゼと虎と魚たち」 | 毎日釣りのことばかり・・

田辺聖子著「ジョゼと虎と魚たち」



田辺聖子の「ジョゼと虎と魚たち」を読んだ。
彼女の作品を読んだのは初めて。

映画化されているのは知っていて、前にこのブログで書いた「映画化された原作は面白い確立が高い」の法則に則って楽天ブックスにて購入した。

だから手にとって選んだわけではないので本書が短編集だとは知らなかった。

8作の短編をまとめたものだが、今回は表題作について書いてみたい。

障害者と健常者の恋愛物語、一言で言うとこうなるがこの作品には「なにげなさ」が漂っている。
障害者との恋に落ちる悩みもないし、コンプレックスも自然な主人公の個性として描かれていることに好感が持てる。

「ノーマライゼーション」この言葉をこの作品から読み取れた。

前編にわたる関西系のせりふもなじんで入ってくる(ボクが関西出身からか)し、主人公のわがままも移り気も可愛げに伝わってくる。
彼の「なにげない」優しさも。

この作品は池脇千鶴と妻夫木聡が主役となって映画化されている。
書評によると池脇の演技が評価されているようなので、これは映画のほうもDVDで観てみたいと思った作品だった。