水の子トム(水の子供たち) | 毎日釣りのことばかり・・

水の子トム(水の子供たち)

水の子どもたち(上)
水の子どもたち(下)

昨日のブログで、ボクの産まれた土地の話を書いたのは、実は今回の伏線。
大江町に住んでいたころ、2年生3学期まで通った私の小学校は「物成(ぶっせい)小学校」と言う。

もうずっと前に廃校になったこの小学校で、同窓会が行われたのは、10年ほど前の夏のことだった。

小学校1年生の時(今から30数年前)、結構大きな火事に見舞われたので全焼した一部の校舎(体育館以外)は当時建替えられ今は地域の公民館になっている。

まだ幼かった子供二人と妻を連れ、電車で大江の駅(丹後鉄道)に降立った。
同窓会の待ち合わ場所は物成小学校跡地。
町内バスに乗り、そこを目指すと懐かしい風景が目に飛び込んでくる。
「パパはここで遊んだんだよ」なんて会話を娘としていると、バスの運転手が、「あんた鉱山の方かね?」と聞いてくる。
今日、小学校の同窓会があって、閉山になった鉱山の(当時の)子供たちがやってくることをこのバスの運転手は知っていたのだ。
「あのころはよかった・・私もそこで働いていた・・」そんな話をその運転手はしきりにしていた。

小学校跡地に着く。何十年ぶりだろう。
いまは公民館になっている当地は、火事で建替えられた校舎も、校庭も、私が逆上がりを練習した鉄棒も当時の面影を残していた。

当時はなかった25メートルプールがあったので、早めに着いた私は娘と一緒にひと泳ぎすることにした・・。
すると、管理人さんらしい人がやってくる・・
「あんたらあかんよ、ことわりもなく」
「すんません、きょうここで同窓会があるもんで、、、えーと、ボクここの出身者なんです・・」
「えー、なにさんっていうの?」
「○○ですけど」
「ってことは△△子の弟さん」
「そうですけど・・」
「なんやはよういってえや、そんならかまへん、好きに泳いどき」
管理人は私の姉の当時の担任の先生だった。

そうこうするうち、「あそこで泳いでんの誰や」と同窓会メンバー当時の同級生や担任の先生が集まってきた。
メンバーがそろうと記念撮影。
そして校内を見学させてもらうことにした。

幾つかの教室は当時のまま残されていた。
40年近い時間が経っているのに、バスの運転手さんも、姉の元担任も、そしてこの雰囲気も、時間をゆっくりと過ごしてきた感じがした。

そして廊下には、図書室にあったはずの本がたくさん書棚に納められていた。
幾つかの書棚に並ぶ本の背表紙を指でなぞってみる・・

「水の子トム」・・これはよんだ覚えが・・。
手にとって裏表紙を開く。貸し出しカードが入っている。

あった、自分の名前が、小一の時自分が書いた自分の名前が・・。

こみあげてきた。
涙はこらえたけど、、
確かにボクはここにいたんだ。


**参考**
「水の子トム」チャールズ・キングスレィ作
今は、「水の子どもたち」という題名で売っているようだ。
(上記リンク参照)