ビタミンF

ミニツマサレル・・
この本を読んだ印象を一言で語るとこうなる。
重松作品は数々読んでいたが、直木賞をとった本作品を昨日読了した。
短編集なので、ゆっくりペースで一遍づつ読んだ。
重松とボクの年代も近いし、ボクにも中学生の長女、長男がいるのでこの作品に出てくる家庭モデルと近い日常を過ごしている。
”とりあえず家庭は大丈夫・・”と思っている毎日をここ数年過ごしていたが、イジメの問題や家族のつながりの意味を改めて考える「時」も何度かあったことは確かだ。
この作品に出てくる「はずれくじ」。
自分は「はずれくじ」なのか、自分の人生は「アタリ」ではないのか、そんなこと考える必要ない。。。
大当たりではないかもしれないけど、決して「ハズレ」ではないと思いたい。
もうひとつ取り上げると「せっちゃん」。
突然イジメにあってしまった優等生の娘の姿と、それを見守る母と、対応に悩む父。
イジメの事実を素直に両親に相談しない娘。よい子の自分キャラを演じようとする娘。
そんな状況に悩む家庭モデルをなぞの転校生「せっちゃん」を絡めて進む秀逸な作品。
この作品は中一の長男も熟の国語の授業でこの作品が取り上げられてボクとおんなじタイミングで読んでいた。
はからず息子と重松作品について語りあう機会に恵まれ、ちょっとうれしく思った。
他の作品も読みたい、と言うのでこの本は子の後息子にあげることにした。
何を思い、何を感じてくれるのか、聞くことはないと思うが彼に何かが残ることを期待したい。