滅びの美学 | 主食はバナナです

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先日読んだグレート・ギャツビーの裏表紙に,

「ほろびゆくものの美しさ」

というフレーズがあった.
が,僕はこの言葉をあんまり好きじゃありません.

確かに桜も花火も散るから美しい.
「ほろびゆく美しさ」を描いた文学も読み物としてはいいかもしれない.

しかし,それらは一定の距離をとって客観的に鑑賞するから美しいのであって,
その距離を一気にゼロにして自分を重ね合わせてはいけないと思う.

醜くなる前に死にたいといって自殺した若い美少女も,
お国のために誇らしく死んでいった青年も,
全く美しくなんかない.

「人間失格」が映画になった時,
「堕ちてゆくほど美しい」という宣伝文句があった気がしますが,
美しいのは生田斗真の顔であって,
あの生き様が美しいから真似したいとは,原作を読んだ人は言わないでしょう.

本当に美しいのは,
例え醜くなっても,非国民と言われても,不誠実であっても,
泥臭く,力強く,必死に生きていく様ですよね.

かくいう僕も時々ふとこの世から消えたくなる時があります.
辛いことがあるとか,病んでるとかでは全く無いのですが,
(むしろ最後のモラトリアムを存分に満喫しているwww)
夜にボーっとしてるときとか,散歩して気持ちいいときとか,
ひょいっと何かを軽々飛び越えて,あっちの世界に行けたら,
「俺の人生すげー楽しかったな」と死んでから天国で一生思えるんだろうなぁ(おかしな表現だw),と思うことがあります.

だけど生きますよ.
社会の荒波に飲み込まれて,
今のような心をだんだん失っていって,
昔自分が軽蔑していたような類の大人に少しずつなっていっても,
生きますよ.
『生きよ堕ちよ、その正当な手順の外に、真に人間を救い得る便利な近道が有りうるだろうか。』

まあ,以上の内容は完全に坂口安吾の『堕落論』にインスパイアされてるんですがね(笑)

ちなみに僕は堕落論が大好きで,何度も繰り返し読みました.
時代背景が違いすぎて想像するしかないのですが,
戦時中に日本を包み込んでいた,崇高だが空疎な精神論ではなく,
『生きよ』と力強いメッセージを繰り返すあんごちゃんの言葉に,
丸の内線に乗りながら何度も泣かされそうになりました.


台風が夏の気配を根こそぎかっぱらっていったせいで,
少しセンチメンタルになっている夜の暇つぶし文章でしたとさ,ちゃんちゃん.