自分が入学した当時、一部リーグの各大学にはファイトスタイルというか、大学別に色があった!


当時は採点法がコンピューター採点ではなく20点法だったからかもしれないが


法政大学は
サウスポー、 アウトボクシング


拓殖大学は
ファイター



日本大学は
オールマイティー


農大は・・・・・






拳闘という言葉が似合った

一発殴られたら二発殴り返す!


現在は山本監督の指導のもと近代ボクシングを取り入れ、

ステップにのって
遠距離からの高速ストレート、駆け引きによってポイントをかき集める
常勝、農大のスタイルになっているが


当時の総監督は
宇土監督


宇土監督は七十歳後半くらいだったと思うが

顔には刀傷があり
数々の武勇伝がある方だった!



自分が精神面が弱いとわかると、


新宿いって喧嘩してこいと本気で言われた!


だから農大の先輩方はボクサーというより
拳闘家という言葉が似合う人が多かった!

自分自身ない部分なのでそういう人に憧れた・・・・


だが農大は
拳闘スタイルから今のスタイルに変わっていった


自分は農大が近代ボクシングの最高峰に触れた瞬間に居合わせることができた!

この時から練習でステップワークを重点的に取り入れる様になった気がする


それは一年生の夏

キューバのナショナルチームが東京に来ていて

白井具志堅ジムで調整練習をしていた時だった!


これはいい機会だと
山本コーチと六人くらいの選手でスパーリングをお願いしにいった!


自分も福井に帰省中だったが なかなかない機会なので参加した!


その時のキューバチームはスターぞろいで

帝王マリオキンデラン


リゴンドー

ベビー級
オリンピック三連覇
サボン


などそうそうたるメンバーだった!


練習はステップしてジャブ、やステップしてワンツーなどひたすら基本練習を繰り返していた!

アマチュア世界チャンピオンなのに
基本練習ばかりで
驚いたのを覚えている!

ただ一つ一つの動きは半端なかった!

パンチもとても日本人が打てる様な代物ではなくサンドバックが縦に揺れていた!



だが練習もすごかったが一番驚いたのは





お国柄だろうが・・・


ジムの綺麗なフローリングにペッペ、ペッペ と
唾を吐いていたことだ・・・・




恐るべしキューバ
・・・




いよいよスパーリングをすることになった!


強者ぞろいの農大の先輩方でもさしもに相手が悪い

スパーをしてもやはりやられた!

向こうもある程度、力の調節はしていた!


次はいよいよ自分のスパーの番だが
その日は着ていた服が悪かった!

みんなは農大のユニフォームを着ていたのだが

自分は実家に忘れてきてしまい、

先輩のジャパンの日の丸のユニフォームを借りて着ていたのだった!






ガチでやってきやがった・・・・



相手は四・五年前に世界選手権を制した古豪の選手だときいていたが

18の自分をボコボコにしていた・・・・



大人気ないと思った



恐るべしキューバ





ボコボコにはされたがこの日は本当にいい経験ができた!

ここで学んだステップワークなどは大学でも練習して

今のボクシングの
ステップワークになっている!

凄いいい経験をしたなと思った




だがジムをでた瞬間


スーパースターのサボンが

先輩の森氏にジュースを買えと恐喝していた・・・・




無抵抗のまま森氏はジュースを買わされていた・・





恐るべしキューバ