あと数日で88歳を迎える母がいる。

まだ足腰がしっかりしているので、

山の上で一人で暮らす「独居老人」だ。

介護認定も受けていないから

ヘルパーさんもお願いしていない。

 

年末年始はうちにも来て

一緒に年始を祝った。が、

その後、私は母とは会っていない。

自分の体調が思わしくなかったのと

雪の予報が出ると車を出せないからだ。

 

その代わり、

毎日2〜3回は電話をしている。

少し前まではLINEで顔を見ていたが、

最近はLINEの存在を母が忘れてしまって

操作の説明にやたら時間がかかるので、

もう音声だけで母の顔を想像するw。

 

ご近所から見ると、

おばあさんが一人っきりで、

子供達にも見捨てられて生きているように

見られるのか?

 

民生委員として

張り切っている近所のおばさまが

去年はやたら、私に連絡をしてきた。

最初は地元の

老人会へのお誘いくらいだったが、

「なぜ介護認定を受けないのか?」

「定期的にヘルパーさんに

来てもらわなくて良いのか?」

などなど、あっという間に

相談してもらう立場に。

 

そして年明け、

母は年末年始には

関東の弟の家とうちに来ていたわけだが、

自宅を留守にするという連絡が無かった、と

そのおばさまから苦情が届いた。

 

うちは介護保険も使っていないし、

自宅も母名義だし、

ちゃんと年金をもらって暮らしていて、

その自宅を何日留守にしようが、自由なはず。

単に息子と娘の家で

年越しをしていただけだ。

 

でもその方が言うのだ。

「つい最近、夜、近所を歩き回って

倒れた人が出た」

「留守にしていくときは

連絡が欲しい」と。

 

え?うちの母、

まだ徘徊老人じゃないけど・・・

そもそも、その方に

母の介護をお願いするつもりはない。

でも確かに、

「行政側」から見ると、

一人暮らしの老人に

孤独死されても困るわけだ。

 

その方のご指摘の主旨は以下の通り

(1)「お弁当の宅配を取り込むのを

よく忘れているようだが

無駄になるので、

事前に業者に連絡してキャンセルするべきだ」

(2)「お友達とも連絡を取らず

家に一人でこもっているのでは?

もっとデイケアとかに出かけて

周りの老人と

コミュニケーションをとるべきだ」

(3)「入れ歯がカポカポしている。

娘さんの許可を貰えれば

民生委員の私が歯科医に連れていく」

 

そこで、私は反論した。

 

(1)宅配弁当は

自費で平日は2食ずつ

土日はネットスーパーで

私が3ヶ所に分けて発注しており、

昼のお弁当を夜食べたり、

次の日に食べたりしているから

決して無駄になってはいない

 

(2)まだ徘徊はしておらず

ゴミ捨ても自分で行っているし、

洗濯などの家事も自分でやっている

老人会やデイケアは好きではないが、

周囲には40年来のお友達が沢山いる。

散歩中におしゃべりをしているし、

私とは日に2〜3回、話しているので

全く寂しがっていない

 

(3)入れ歯は緩いが、

食べる時には困っていない。

母はこのままが良いと言っている。

姪が歯科医なので、来て貰える。

 

(その他まとめて)

自宅は母と私の名義で、

修繕などの管理は私がしている。

別に母をほったらかしにはしていない。

弟と手分けして

一月に1〜2回は

母のところに通うようにしている。

孤立しているわけではない。

母は一人暮らしをとても楽しんでおり、

ヘルパーさんもいらないと言っている。

いよいよ一人暮らしが無理になったら

私がこちらに引き取ると

一気にまとめて反論した。

 

もちろん、ご近所に

そこまで言ってくれるおばさまがいるのは

とてもありがたいことではある。

 

それに

88歳が一人で暮らしているってことは

やっぱりご近所には

心配をかけているわけでしょうから、

来年度は仕事を減らして、

母のところに通う日数を

増やそうと思っているところだ。

 

一方で母は

自分の88という年齢に全く動じていないし、

未来永劫、一人で楽しく

生きて行けるかのように

勘違いしている感じもあるのは確か。

 

母は「誰にも迷惑はかけていない」と

口癖のように言っている。

あれ?私には迷惑かけてるよ、と

内心思うけれど、

父が亡くなってもう16年。

自分一人で暮らすことに

母は幸せを感じているのだ。

その気持ちは大事にしつつ、

周囲から「独居老人」と心配されないよう

私と弟がサポート頑張るしかないのかな。

長生きした親の面倒って、正直、大変。

でも「親孝行したい時には親はなし」

とも言われているし、

自分の健康も危なっかしくなってきた

間も無く64歳の私だが、

老老介護の本格化に備えて

筋肉でも鍛えておこうか。

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