去年今年と娘の大学入試につきあいました。うちは国立中で不登校になりましたが、高校は普通科になんとか進学して、一浪、この春、私学の一般入試で志望校に合格することができました。とても苦労しました。今後大学を受験するみなさんの参考になりそうなことをおつたえしたいとおもいます。特に、今不登校でお悩みの受験生さん、諦めなくても大丈夫ですよ。

 

(1) ウェブで願書を出すのが大変.

親か受験生のどちらかがパソコンなり、タブレットなりに精通していないと、携帯の技だけではかなり厳しいです。書き込むことも膨大です。浪人生はともかく、高校3年生にとっては、入学願書をウェブで申し込むのは、そんなに簡単ではないと思います。十分に時間を確保しておいた方がいいです。そして、操作を熟知している端末を使用してください。親御さんも、ぜひ受験生と一緒に、入力を手伝ってください。一人だと間違ってしまうこともあります。うちも二人で万全を期したつもりが、なぜか志望していない学科にも申し込んでしまって、あとでびっくりしました。まぁ受けなければ良いわけですが、間違えると、受験料がそのまま無駄になります。

 

(2) 願書を郵送する締め切りに注意

コンピュータ上で願書が出せても、それをプリントアウトして、調査書と共に速達簡易書きどめで郵送しなければなりません。締切日までに到着していないとだめか、消印有効なのかは要綱で確認しましょう。募集要項は本当に大学によって違いますから、ファイルしたり、一覧表を作って、頭を整理しましょう。

 

余談ですが、うちはうっかりして1ヶ所、締切日に願書を追加で出すことになりました。大学に電話して確認すると、その日に「必着」だと言うのです。真っ青になって絶句すると、電話口の事務の方が「神田郵便局の窓口に今日中に出せば間に合います」とアドバイスしてくれました。すぐに準備して、午後1時半、指定された御茶ノ水の神田郵便局の窓口に文字通り駆け込みました。窓口の人も慣れていて(?)、「大学に間に合いますか?」と聞いたら、にこりとして、「明日、大学の方がきて、まとめて持っていかれるので、大丈夫ですよ〜〜〜」と言ってくれました。郵便局まで近かったから出来ましたが、地方の方は間に合わないとおもいました。しかも、この”駆け込み願書”を送った大学に娘は通うことになりました。神田郵便局2階のあの時の空気感、一生忘れないと思います。

 

(3)プリンターを確保する

ほとんどの大学が受験票をプリントアウトしてもって試験会場に持って来るように受験生に要請しています。家にプリンターがないと、コンビニに行かなければなりません。プリンターがない方はどこに行けばプリンターがあるのか、事前に調べておきましょう。家にプリンターがある方も、インクなどがちゃんと正常かどうか、確認しておきましょう。インクが切れたら、願書が間に合いません。準備は万全に。

 

(4) 受験日と結果発表、入学手続きなどの重複に注意。

 

入試の日程は大学によって違います。受けたい大学の試験日が重なっていたら、二つは受けられません。合否の結果が出る前に、次の手も打っておかないと、万が一おちてしまったら、それから手続きをしたくても、締め切りに間に合わなくなります。逆に、申し込んだだけで、受ける必要がなくなる場合もあります。私学の受験は一学部一学科だけでも35000円ほど。二つ、三つ、あるいは四つ学部や学科を受けるなら10万前後かかります。受けたい学部を入学すると、金額がどん!と上がります。もったいないけれど、ケチるわけにもいかないし、仕方がありません。何しろ、受験料を支払わないと願書が受け付けてもらえません。大学の数が多ければ受験料も数十万になります。ピンポイントで一つ受けて、そこに受かるなら良いのですが、うちは5大学申し込んで、三大学受験。3〜40万かかりました。トータルはもう、覚えていません。計算しても仕方がない・・・。

 

(5)クレジットカードで支払う方が安全です

クレジットカードを持つか持たないか、賛成、反対、ともにいらっしゃると思います。が、大学入試の場合は締め切り日までに支払わないと、受験ができないので、志望の大学を決めて、試験の日程を決めたら、即、支払った方が良いです。銀行の窓口まで行って、領収書を添付して、郵便で送るという暇がない場合もあります。とにかく締め切りにちょっとでも遅れると取り返しがつかないことになるので、なるべくクレジットカード決済にしましょう。このクレジットカードによる支払いは、親御さんは一つは準備しておいた方がいいです。そして、上限を100万くらいにしておくことも大事です。大学に合格して、入学の意思を示す際には入学金などを納めなければなりません。例えばある大学の結果を待っていて、その大学に受かっていればすぐに支払えばいいのですが、他大学を待っている間に締め切りが迫ってくるので、他の大学を待った末に落ちたら、即、別の大学の学費を収めて、籍を確保する必要があります。とにかく速攻で入学金なり、初年度の学費を支払えるように、クレジットカードの上限に余裕を持たせておくことも大事です。受かったら、期日までに、大学にもよりますが、80万前後の費用を収めなくてはなりません。現金をおろして、銀行の窓口で支払っていては、手遅れになってしまうかもしれません。土日を挟んだりすると、イライラするので、その場で払えるクレジットカードがオススメです。

 

(6)3月いっぱいチャンスはあります

大学によって、当然、受験の日程が違います。1月中に始まってしまう大学もあります。語弊はありますが、「一般入試」(高校からの推薦やAO入試以外の、大学で実際に試験を受けるタイプのもの)の場合、難しい大学ほどチャンスが少なく、追加合格もありません。難易度が低い大学は早く始まるし、3月下旬まで続く場合もあるようです。なので、心配な場合は夏からAO入試などを受けて、滑り止めを一つ決めておく手もあるかもしれません。入学金は無駄になってしまいますが。2月の第1週目から都内のG-MARCH(学習院、明治、青山学院、立教、中央、法政)や日東駒専(日大、東洋、駒澤、専修)も続々に始まります。とにかくなるべく早く募集要項を手に入れて、志望大学を決めて、スケジュールを調べておきましょう。

 

うちの失敗ですが、明治と法政は確か、最初の試験日が同じで、結局娘の希望というより、難易度の低い方を選ばざるを得ませんでした。ライバル校同士、わざと?同じ日に重なる場合も多いので、本当に要注意です。学部によっても試験日が違いますので、志望校の試験が重ならないように、なるべく早くスケジュールを立てて、シミュレーションしておいてください。大学によって、チャンスを何回も与えてくれるところも増えています。2月初旬の試験に落ちても、2回目、3回目の試験を実施するところも意外に多いです。第二日程、とか後期試験とか、呼び名は違いますが、大学によっては3月に入ってからも試験を行うところもたくさんあります。2月中に決まらない場合でもめげずに次の申し込みをしてください。大学によって、「補欠合格」を出すところもあります。何人の補欠合格が出て、何人が繰り上がって合格するのかは、毎年大きく違います。大学側から「あなたは追加合格候補です、何位です」というお知らせがきたら、その後の合格発表を待たなければなりません。追加合格候補のまま半月、一月、宙ぶらりんになることもあります。でもじっと待っているだけだと、追加合格が繰り上がらない場合も多いため、めげずに次の手を打ってください。大学によっては3月31日、ギリギリで追加合格を出す場合もあります。

 

(7)大学入試は長期戦

とっても優秀な受験生の場合は、苦労はありません。一つ受けて、確実に通れば良いのです。ところが一般的な成績の受験生の場合、試験に「絶対受かる」はないので、「まぐれ」も少々期待して、入試スケジュールを立てましょう。最初から諦めないで、2回目3回目の追加募集をしている大学なら難易度は受けるたびにどんどん下がります。国公立志望じゃなくても、共通試験は受けておいたほうが、絶対に楽です。チャンスも増えます。浪人生は共通試験の申し込みを忘れないように。確か、9月中には申し込みが終わるはずです。うちはすっかり忘れてしまい、余計に大変でした。共通試験で受かる人数は少ないので、共通試験を受けなければならないってことはありませんが、ほんのちょっとにしろやっぱり「有利」になるし、何より精神的にとても楽です。1月には始まって3月31日まで決まらないことも想定して、長期戦を覚悟しましょう。受験生のタイプや好みに合わせて、毎日受けるのか、2日おきくらいに間を開けるのか、試験をスケジューリングしてください。毎日試験が続いたら、気力体力が持たないタイプの受験生もいると思います。逆に集中して3日連続とかの方が力が発揮できる受験生もいるでしょう。自分が一番体調を保てる日程を組んでください。塾で「3月いっぱいは受験シーズンですよ」と言われてはいたものの、いま思えば、2月の下旬に決まって良かったです。入試が3月の終わりまで続いていたかと思うと、ぞっとします。2月中、試験に落ちるたびに打ちのめされます。でもチャンスは3月中にもありますので、不屈の精神で志望大学に合格するまで、気力と体力を保って頑張ってください。

 

うちは中学時代に不登校になり、高校も1年の終わりにやめそうになったり、波乱万丈の中高でした。今年やっと希望通りの法学部に通い始め、楽しそうな娘の顔を見るたびに、不登校でも、高校やめそうになっても、諦めなくて良かった、と思います。と同時に、本当に、本当に、しんどかった。もう大学入試は二度とやりたくないです(笑)。失敗も沢山でした。この体験が少しでも娘の後輩の受験生のお役にたてば嬉しいです。詳細についてのご質問はコメント欄にどうぞ###