2016年に起きた

アメリカのFox TVを舞台にした

セクハラスキャンダルをベースにした

映画 スキャンダル(邦題)を見た。

 

 
Fox News の創設者であり、
CEO のRoger Ailes を
ベテラン看板キャスターがセクハラで訴え、
それが引き金となって、
次々に女性たちが告発を始めるが、
訴える女性たちの心も深く傷つく。
 
テレビニュースという、
「外見的な美しさ」が
価値として重要視されていることが
否定できない世界で
上司との性的な関係と引き換えに
トップ・キャスターとしての地位を
維持しようとする女性たちの
熾烈な戦いも描かれており、
単純に助平な男性を
一方的に非難するものでもない。
非常にリアルで、面白い映画だと感じた。
 
さて、こんな 映画のようなことは
果たして日本では起きているのか?
 
ちょっと脱線するが、
この映画の邦題は「スキャンダル」であるが
原題は Bombshell である。
Bombshell は scandal 以上に
なかなかの迫力がある言葉だ。
字面(ジズラ)でお分りの通り、
bomb は爆弾 
shell は貝のような硬い殻をさすが、
bombshell は
人々をいきなりびっくりさせるものであり、
俗語的には「爆弾的な超かわいい子ちゃん」
という意味もある。
 
さて、本筋に戻るが、
果たして、上司を人気キャスターが
告発するなんてこと、
あるのだろうか?
 
過去には女優やアイドルたちが
大きな仕事をもらうために
プロデューサーの愛人になったケースも
あったように伝えられている。
 
古今東西、今も昔も
(良いと認めるわけではないが)
多かれ少なかれ
あったのかもしれないし、
あるのかもしれない。
 
私ですか?
 
私が最初にキャスターを務めたのは
1988年〜1989年度末までの
総合夜9時の
当時の看板ニュースである
「ニュースTODAY」だ。
この時は私は入局5年めで
名古屋のローカル局で3年修行して
東京渋谷の放送センター内にある
報道局社会特報部に
「上がってきた」ばかりの
駆け出しに毛の生えた程度の記者だった。
 
すでにローカル時代に結婚もしていたし、
セクシーとは程遠いルックスだった。
 
また余談だが
Fox TV の fox はキツネの意味もあるが、
fox(名詞)をfoxy と形容詞にすると
ずるいとか、キツネのように狡猾、
という意味もある上、
女性に向かってfoxy lady と呼ぶ時は、
肉体的な魅力があって色っぽい、
という誉め言葉にもなる。
フェミニストに叱られそうだが、
アメリカではこの foxy な女性が
愛される傾向が強いと思う。
 
で、また本題に戻るが、
さほどの器量でもなかった私が
なぜ看板番組のキャスターの一人として
指名されたのかわからない。
突然上司に呼ばれ、
「4月からやってもらう。
評判が悪ければすぐに降ろすから」と
言われた。なんの色気もなし。
100%業務命令だ。
今になって思えば
「評判が悪ければすぐに降ろす」
と怖い顔して私に告げた
S プロデューサーの言葉は
パワハラじゃないかなぁとすら思う。
 
キャスターとの地位と引き換えに
性的なものを要求されたことは
皆無だったが、
周りの上司や同僚に
「誘われたこと」は何度かある。
 
後輩の女性記者からも
取材先とあまりにも密になり、
お互いの仕事への情熱に
惚れ込み合う中で、
一線を超えそうになったと
告白されたこともある。
 
良いか悪いかの論評は別として。
まぁ〜どんな世界でも
人間同士、好きだとか
嫌いだとか、
妬むとか、利用するとか、
色々とあるのかも知れませんね。
 
日本のテレビ業界が
アメリカと比べてどうなのか?
分りませんけれど、
まぁなんだかんだ40年近く
特に大きなスキャンダルもなく過ごせたのは
良かったのかな?と思う。
 
ところで
この映画、Bombshell には
下半身に関する
4 letter words が激しく飛び交っています。
日本語字幕でわかりますから
是非是非、英語版の
オリジナルでみてくださいね。
 
なかなか教科書には載っていない、
面白い単語や表現がいっぱいです。
 
もちろん、
それらの単語や表現を使うチャンスが
あなたにあるかどうかは、
別の話ではありますが・・・
とにかくオススメです〜
年末年始、時間のあるときにどうぞ。
 
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