コロナがいつになったら終焉するのか
どよーんと淀んだ時空の中で
前にも後ろにも動けず、
停滞している感じがしますよね・・・
コロナも気がかりですが、
もうひとつ。
舅のことも気がかりなんです。
2年前に姑が末期の肺癌で
入院することになる少し前から
姑は念仏のように
「パパをお願い」と
５つ年上の、
89歳だった舅を私に託したんです。
昭和4年（1929年）、
千葉県の田舎で
裕福な農家の次男に生まれた舅は
小学生の時にはブレザーに
半ズボンを履いていた写真が残っています。
ほとんどの子供が
つんつるてんの浴衣みたいな着物を
来ていた時代に、です。
長兄は10歳も上、
おまけに姉3人、妹1人、
女性に取り巻かれて育った人でした。
霞が関で役人としては
大変に真面目で順調に出世しましたが、
家では文字通り、
お箸以上重いものは
持ったことがなかったのでは？と思います。
姑が体調を崩してから、
わたしが一人で面倒見てい半年間、
な〜〜〜にも知らない舅には
本当に困りました。
まず、「チン」ができません。
電子レンジに触ったこともない。
そもそも台所に入る気がない。
次に、電気ポットが使えない。
どこを押せば良いのかわからないのです。
（痴呆症は全くなく介護認定もなし）
ロックもかかっているじゃないですか。
だからロックを外して、
中央を押す、という手順が
全く覚えられない・・・
姑が必ず、お茶を注いで、
舅の目の前に出していたからです。
わたしゃ、象印の新品のポットに
「ここを押して」と書いた紙を貼り、
マジックで黒くボタンの周りを
隈取りしましたよ。
でもダメ。
一度も自分でお茶を淹れられませんでした〜〜
ある日はどうしても昼食を置いて
仕事に出なくてはならなかったので、
チンができない舅のために
娘のお弁当用の
保温できるジャーに
ご飯を入れておきました。
そして、定食屋のように
お盆に乗せておきました。
ところが帰ってきたら、
ダイニングテーブルに並べたものが
そのまんま、残っているのです。
「あれ？お父様、なぜ
召し上がらなかったんですか？」と
叫びましたよ、私。
（うちは私と舅姑との距離を保つために
結婚して35年以上、敬語でした）
そしたら舅ったら、
「それ、ご飯だったの？
どうやって開けるのか、わからなかった」
と言うんです。
どんだけ、過保護なん。
姑を恨みましたよ。
これ、ボケてない老人の話ですよ。
いや、ボケていたのか？
目の前に温かいものを並べてもらって
はいどうぞ、と言ってもらわないと
食べない？食べられない？
嫁は途方にくれました。
思い返すと、
姑は毎晩、
歯ブラシに歯磨き粉をつけて
リビングの自分の座椅子に座った舅に
「はい❤️」と手渡していました。
年寄りが夫婦がイチャイチャと、
愛情にしても
気持ち悪いなぁと思っていたけれど、
そういえば、
姑がそばにいなくなってから
舅は歯磨きをしていたんだろうか？
それに、
もう一つ姑に頼まれたことがあります。
それは毎日、舅のベッドの
かけ布団を
整えてやってほしい、と言うことです。
「パパは毎晩、跳ね飛ばして
ベッドから落としてしまうから」
ちゃんとお布団がかかるように
してやってね」
と姑が言うんですよ・・・
嫁の私が毎晩？
舅の寝相を心配する？？
ちゃんとお布団が
肩までかかっているかチェックする？
無理。
いくら夫に似ている舅でも
生理的に無理です。
聞いた瞬間にぞぞーっとしました。
そんなわけで、
理由は夫には全部伝えなかったけど
（夫このブログも知らない）
舅を一日も早く
老人ホームに預けることに
同意してもらいました。
もしも家でみろ、と言われたら
娘を連れて、家を出るつもりでした。
予想以上に舅は元気で
もう姑がなくなって丸2年になるのに、
一人で頑張って生きています。
91歳半です。
最近は流石に
うとうとしてばかりだそう。
コロナのために、
私たちと会うときも
限られた時間ですが、
会うために会議室まで
歩行器を押して歩いて出てくるのが
結構大変らしい・・・
ヨボヨボの舅に会うと、
昭和一桁生まれの、
自分のことは何もできない男。
妻に先立たれると、
本当に哀れだなと思います。
万が一、
ホームでコロナに感染して
亡くなってしまうと、
会えないままになるかもしれない。
せめてコロナ前のように、
外出に連れ出せるといいのだけれど。
でも自宅に引き取って
舅を一人で看るのは無理。
このままホームに舅を
置いても良いですか？
置いても良いですよね？
日本の嫁、失格でしょうか？
姑はどう思ってるんだろう？
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