先日、英語講師としては

初めてNHKラジオに出演した。

たくさんある講座の中で、

難易度が最高の「特集」である。

若い担当者からは

NHKラジオの英語講座の講師をすると言うことは

大変名誉なことなんですよと言われたくらい。

凄い事なのだそうだ。

 

私としては当然、

84歳の母に1番に知らせた。

すると母は一人暮らしをしている地元で

テキストを取り寄せてくれると言う。

田舎で一番大きな書店までいくと言うのだ。

そして10冊も買ってくれた。

 

放送後、私は感想を聞きたくて、

母に電話した。

すると、案の定、

 

「忘れてたわぁ〜〜」

 

やっぱり・・・いつもラジオは

枕元にあるはずなのに?

 

「お天気が良くて庭に出ちゃったら

忘れちゃった〜〜」

 

と言うではないか。

 

そうだね。前の日の夜か、

当日の放送直前に電話して

これからだよ、って言うべきだったね。

 

そして先ほど、

母と電話で雑談していた中で

明日がラジオ番組の

再放送の日だと思い出した。

 

「明日再放送だわ」

 

母「何時?」

 

「テキストに書いてあるでしょう?」

 

母「テキスト?」

 

「10冊も買ってくれてもう全部ないの?」

 

母「私が持ってるのは1冊だけよ」

 

「あれ?その表紙に書いてない?」

 

母「私が持ってるのは10月号一冊だけよ」

 

「ん?なんで10月号持ってるの?」

 

母「ここは田舎で誰も英語なんてやってないから

書店に頼んだのよぉ」

 

「いや、頼んだのは知ってるけど、

私が載ってるのは11月号なんだけど」

 

母「ちゃんと取り寄せたのよ。」

 

「いや、だからぁ〜取り寄せないと

そんなテキスト田舎にはないけど、

私が載ってるのは11月号だってば。

私が載ってない10月号10冊も買ったの?

どーしたのよ。それ?!

 

母「お隣が英語の先生だからあげた」

 

「はぁ?私が載ってないのに?

宣伝にならないじゃん!!!

バックナンバーあげてどーするのよ」

 

母「まだ10月だから大丈夫よ」

 

いや、そう言う問題じゃないでしょ。

 

orz ....

 

話が全く通じない・・・

こんなにぼけていたのか。

愕然とした。

 

結局、真っ先に報告したのが

母には早すぎて、

全部忘れちゃった?のか?

なぜ「入門ビジネス英語」を

買わなければならないのか、

忘れてしまったのか?

 

まぁ10年ほど前までは

毎日テレビに出ていたこともあるので、

「ラジオに出る」と言っても、

母にはなんで今更言うの?

みたいな、

さしたる感慨がなかったのかもしれない。

 

でも私にとっては

現役時代に業務命令で

テレビに出ていたのとは違うのだ。

今回のラジオは

自分がこれまでニュース英語を扱う

仕事をしてきた中で培ったスキルを

評価していただいて、

初めて得た「仕事」なのである。

それも還暦で、である。

 

たかが15分×2本、

されど15分×2本。

 

母は聞き逃したどころか、

私のラジオ出演の意義を

全く理解していなかったようだ。

 

英語はそもそも

英語が大好きだった父の

影響で、始めたのだから。

あぁ〜〜ちょっとは親孝行

できているのかなと思ってたのにね・・・

 

ちょっと遅かったなぁ〜

もうちょっと早かったら

母は大喜びして

ちゃんと11月号を沢山買って

ご近所にばらまいてくれただろうに。

「うちの娘がラジオの英語講座に

出るんですよ〜〜」って。

 

orz

 

つい電話では

「バックナンバー10冊って

五千円じゃない!

何してんの。間違えて!!!

もう放送、明日で終わっちゃうじゃん!!!」

と母を叱りつけてしまった。

 

すぐに後悔した。

 

「入門ビジネス英語11月号」

発売は10月14日、

放送はラジオ第2で

10月26日と27日

84歳8ヶ月の後期高齢者には

数字が多すぎました・・・

 

じゃぁ〜手元にまだあるから

私から明日送るから

楽しみに待っててね!

まぁ〜放送は12月末ごろまで

インターネットで聞けるから、

今度行って、聞かせるからねと

母には改めて伝えました。

 

父が残した伊豆の山の中で

一人で暮らす母。

いつまで、かな・・・・。