日大アメフト部をめぐる

今回の問題に対し、

それこそ日本全国の人が

大変な憤りを感じている。

 

日本最大の大学とその附属の小中高を擁する

巨大な教育機関でこんなことが起きた衝撃は

日大関係者でなくとも、とても大きい。

 

特に私が悲しいと思ったのは、

「おじさん」が

此の期に及んで、

自分の身を守ろうと躍起になっていることだ。

 

おじさん、内田正人監督は

私より少し年上の62歳。

アラ還の同世代だ。

日大アメフトの黄金時代を築いたレジェンド、

篠竹監督の

後を継いで監督になったものの

そろそろ力の限界を

感じていたのではないかと想像する。

62歳を過ぎて、

20歳前後の若者と一緒になって

今後も日本一を目指して

戦い抜く気力も体力も

既になくなっていたのだろうと思う。

選手とコミュニケーションがなかったのではなく、

選手の将来に対する興味そのものが

なかったのでは?

 

だからあのタックルを

リアルタイムでは見ていなくて、

3日後にネット上の動画で

知ったと会見で述べていた。

 

監督が

あのプレーを見ていないなんて、

ありえない。

 

そして井上コーチはまだ若いが、

自分がレジェンドを継いだ内田監督の後を継ぐ

有力候補となっていることを

重々意識した上で、

宮川君に過剰な指示を

与えてしまったのだろうと憶測する。

 

確かに野生動物でも

子供を鍛えるために崖から落とす、

みたいなことを聞いたことがあるが、

今回の事件は

大学という教育現場で起きたのだ。

 

窮鼠猫を噛む。

人間、悲しいもので、

追い詰められると、

何をしでかすかわからない。

宮川君は可哀想に

追い詰められてしまった。

 

だが、もっと追い詰められていたのは

実は内田監督であり、

内田監督に嫌われたく無い一心の

井上コーチだったのでは?

 

篠竹監督の後、日大パッとしないね、

篠竹監督を誰も超えられないね。

 

内田監督にはそれが

辛かったのではないかと思う。

だからなんとか、

引退までには名誉挽回したくて、

若者の将来を潰すような

危険で汚い手を使ってでも

自分の監督としての名誉なり立場なりを

守ろうとしたのだと

私は憶測している。

 

井上奨コーチも焦り過ぎたよね・・・

このまま穏便に

学生たちに信頼されてやっていけば

遅かれ早かれ、監督になれただろうに。

会見ではおじさんに見えたけれど、

まだ30歳だそうだ。

倍以上の年齢の、内田監督には

何も言えなかったのだろうね・・・

 

老いていく人間は

なかなか自分が終わりだとは

自分では認められないもので、

内心ジタバタしてしまう。

やり残したことがあることに気づき、焦る。

できないのはわかっているのに

最後にもう一花、と思ってしまう。

アラ還の一人として痛いほどわかる。

 

でも老いていく人間は

絶対に若い人を踏み台にしてはいけない。

潰したりなんて、とんでもないことだ。

老いていく人間は

暖かく若い人たちを支えないといけないのだ。

 

今回の問題は誰がなんと言おうと

人間として最年長であり

監督である内田監督に全責任がある。

62歳、初老の大人が

20歳と30歳の二人を

可愛いはずの自分の教え子を

パワハラで潰したも同然なのだから。

 

同じアラ還世代の一人として、

若い人の邪魔だけはすまいと

思いを新たにしている。

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