な〜〜んだいい奴だったの?!

 

本気なのか?一世一代の演出なのか?

今日は笑顔の

金正恩総書記の映像に釘付けになった。

 

若い人にはピンとこないかもしれないが、

還暦近い私たちにとっては、

「北朝鮮」という国は

これまでずっと「閉ざされた国」だった。

何をしでかすかわからない

困ったちゃんの最高指導者が率いる

不気味な国だった。

 

何しろ朝鮮民主主義人民共和国を作った

金日成(キム・イルソン)氏

(正恩のおじいさま)

初代の最高指導者の記憶だってあるし、

さらに金正日(キム・ジョンイル)氏の時代には

(正恩のおとうさま)

もう北朝鮮が韓国と「統一(トンイル)」するなんて

あり得ないと思っていた。

 

20年前、南北分断の象徴的場所であり

今回の南北会談の現場となった

板門店(パンムンジョム)を「観光」したことがある。

今もまだあるとは思うが、

ソウル市内からバスで1時間ほど北に移動して、

いわゆる国境にあたる「38度線」

南北を区切ってある境界線のところに行くツアーだ。

DMZ(Demilitarized Zone )と呼ばれる

非武装地帯の中にあり、

米軍を中心とした国連軍が守っている。

 

私が訪問した時は、

まだお互いの国の悪口を

スピーカーでがなりあったりしていた時代で、

外国人でなければ立ち入れないことになっていたし、

(韓国人は数キロ手前にある

嘆きの丘とか呼ばれる高台までしか

いけないことになっていた)

国境周辺では散発的な打ち合いも発生していたし、

まさに韓国側のガタイの良い兵士と、

北朝鮮側の貧弱な兵士が銃を構えて睨み合う

緊迫した場所だった。

 

何しろ国連軍施設で、

「DMZとは」というような

歴史のお勉強のVTRを見たあと

「何が起きても国連軍を訴訟しません」という

誓約書にサインしてから前線まで行くのだ。

そして南北会談が行われる

小さな建物に入って、

マイクの線で区切られた向こう側、

北朝鮮側を1〜2分「訪問」、

記念写真を撮って、韓国側に戻るというツアーだ。

 

何を隠そう、この時の韓国旅行は

全くのプライベートなもので、

夫と離婚を前提に話し合うことになっていた。

計画した時には北朝鮮を見たくて企画したが、

そのあとに離婚の危機が発生し、

ものすごく気まずい思い中、

キャンセルするのも勿体ないから

予定通り出かけたのだった。

 

だから私は成田空港に向かう車の中から

すでにシクシク泣いていて、

ソウルについてもシクシク泣いていた。

ところがソウル市内から観光バスで

板門店に向かう途中から

泣いている場合じゃない

尋常じゃない雰囲気に包まれ(笑)、

南北会談の行われるあの水色の建物に近づいた時には

もう完全に「記者」になっていた。

もう大興奮!

 

当時ハマっていたJSA、Brotherhood など

韓国と北朝鮮の対立を描いた

韓国映画の名作で見た景色が生で見られるのだ!!!

 

余談だが、あちこち観光しているが、

板門店と、カンボジアのトゥールスレンが

(ポルポトが市民を虐殺した歴史の記録)

アジアでは秀逸だと思う。

 

今回の会談では金正恩氏が

韓国の文在寅大統領と一緒に

境界線をまたぐパフォーマンスをしたが、

本当に感無量でテレビを眺めた。

 

「不可能」は「可能」になるのか?

 

正恩君、やればできるんじゃん!!!

いろんな思いがぐるぐるした。

 

私は朝鮮半島情勢の専門家ではないが、

素人目で見ても、

北朝鮮が現在のままの

閉ざされた国、孤立した体制を維持するのは

なかなか困難だっただろうとは思う。

それよりは日米韓と仲良くすることに決めて

国をオープンにした「英雄」として

歴史に残った方が得策だと思う。

 

正恩氏がどう思ったかはわからないが

180度考えを変えた?のか?

何が彼を変えたのか?

もともとナイスガイだったのか?

真相はまだわからないが

とにかく南北が歩み寄ったのは

とってもめでたいことだし、

素晴らしいことだと心底思う。

 

妹の存在がすごいのかな?

妹が兄さんを説き伏せたのだとしたら、

それはそれで、女性の一人としてちょっと嬉しい💗。

 

あぁ〜〜板門店、行っといてよかった!

しかも、離婚しそうになっていた夫とは

なんとかヨリが戻って、

あの旅行から4年後には

娘が誕生したのでした・・・・。

いろんな意味で、板門店は忘れられない、

自分にとっても大事な、思い出深い場所なのです。

 

果たして

板門店がなくなる日、あるのだろうか?

南北の人たちが往来できるようになると

この観光地はきっと無くなりますね(笑)。

 

「ここはかつて非武装地帯でした」なんて

ガイドさんが説明するような

一大観光地に姿を変えるのだろうか?

 

これから先に生まれてくる世代からは

「北と南って別れてたの?」なんて

言われる時代が来るのかもしれない。

 

とにかく今日の正恩さんの笑顔が

歴史的な一歩になりますように。

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