あと還暦まで3年を切っている

立派なおばさんの私ですが、

今年は幸運なことに

政府広報という重要な仕事を仰せつかり、

海外出張に4回も出かけることができた。

昔は「後輩」として仕事をしてきた子が

やり手として采配を振るう立場になり、

「先輩」のはずの私を指名して

仕事をくれたのだ。大感謝。

老いては子に従えとは良く言ったものですわ・・・

 

しかし感心している場合じゃなく、

今回、チーム最年長者として

述べ50人を超えるであろう

若い人とたちと仕事をして愕然とした。

 

なんと若い人たちがほとんど、

その四カ国の過酷な歴史を

知らないというか、関心がなかったのだ。

 

みんな一流大学の出だから

当然、私なんかよりずっと賢い人たちであり、

たくさん勉強をしてきたひとたちのはず。

みなさんはわかりますか?

 

⭐️私はどこに行ったでしょうクイズ⭐️

 

(1カ国目)ポル・ポト トゥールスレン

プノンペン フン・セン クメール

 

(2カ国目)スーチー ラングーン 

ネピドー アウンサン将軍

 

(3カ国目)ジャワ ムスリム スハルト

ジョコ・ウィドド ASEAN本部

 

(4カ国目)サイゴン ドイモイ 戦争

ホー・チ・ミン 越南

 

答えは カンボジア、ミャンマー、

インドネシア、ベトナム です。

 

もちろん、私も全部の国に

精通しているわけではないけれど、

カンボジアでポル・ポトが

国民を大量に虐殺していたとき、

サイゴンが陥落して、

ベトナム戦争が終わった時、

私は高校生だった。

 

今回いっしょに仕事をさせてもらった人たちは

私より一回り以上、若い。

つまり、まだ産まれていないか、

赤ちゃんだったのだ。

ポル・ポトなんか誰だか知らないし、

ホーチミンは

最初からホーチミンなのだ。

 

ビルマで軍事政権が全権を掌握し

国名がミャンマーになった時、

多くの在日ビルマ人が

国に帰れなくなり、

自宅に軟禁されたスーチーさんを助けようと

民主化運動を展開した。

私は品川のミャンマー大使館前の

デモの様子をなんどもニュースで伝えた。

 

インドネシアには

計3年住んだことがあるので、

私にとってデビ夫人は

ただのタレントではなく、

インドネシアが

独立した時の建国の父、

スカルノ大統領の第3夫人、

歴史上の人物の奥様なのだ。

 

若いひとは

今現在を生きているわけで、

「振り返るべき過去」や

「思いをはせる歴史」

みたいなものがないのだ!

当然だが・・・・

 

私が呑気に高校生活を楽しんでいた時に

プノンペンの

トゥールスレンと呼ばれる

収容施設になった元学校では

同世代の生徒や子供たちまでも

ポル・ポトに虐殺されていたかと思うと

涙が止まらなかったし、

ホーチミンの街のあちこちに

「SAIGON」という

名前が残っているのを見て、

ため息をついたりしていた。

 

日本人としては私は「戦後生まれ」であり、

戦争の怖さを知らないし、

戦争に無関心な部分もある。

年齢を理由に、逃げているのかもしれない。

でも東南アジアについては

過酷な歴史を知らないでは済まされない

世代なのだと思う。

 

今年の仕事では

慌ただしく走り回ったり、

深夜まで起きてたのに、

あくる日はケロリとして

現場に現れる若い人たちを見て、

若い人にはかなわないなぁ・・と

正直、思った。体力が違う。

私なんか、もう古すぎだわと

自己嫌悪を感じる場面も多かった。

しかし、待てよ。

 

もしかしたら、彼らは

東南アジアで「仕事をした」けど

ただ「仕事をした」だけだったのでは?

 

もちろん、今回の仕事には直接は

歴史の知識はいらないのだけれど

なんだか、おばさんは

若い人の明るさや屈託のなさが

羨ましくなくなってきたぞ。

 

今回の出張を一番楽しんで、

一番勉強させてもらったのは

私だったのでは?

 

カンボジアでもベトナムでも、

「ついこの間まで戦ってたのに、

こんなに立派な国になってる〜❤️」と

思わず叫んだら、

若い人たちが

「40年も前だから

ついこの間じゃないですよ」と笑ったけど。

 

だからぁ

日本は戦後70年でここまで

カンボジアは40年でここまで

ベトナムも40年でここまで来た。

ミャンマーなんか、

アウンサンスーチーさんが

無事に解放されてからまだ7年。

事実上の民主化をしてまだ2年にならない。

インドネシアだって、

軍人でもエリートでもない

「初めての一般人」が3年前に

7代目の大統領になったばかりですぞ。

 

こういう「歴史」を

身近な出来事として理解できるのは

「年齢」のおかげかもしれない。

 

若かったらよかったなぁと

思うことも増えた昨今だが、

今日は思い切って見栄を張って言おう!

 

若けりゃいいってもんじゃぁ〜ないよ!

 

おばさん、もうちょっと頑張ってみる❤️。

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