マスコミは

そっとしておいてあげて欲しい・・・

よく聞かされる言葉です。

 

マスコミの一員として、

ちょっと反論してみます。

 

マスコミって何なんでしょう?

お忘れかもしれませんが

英語のMass Communication 

マス・コミュニケーション

(大衆間の情報伝達)を

短縮した日本語です。

 

日本語では「マスコミ」は

テレビ局、ラジオ局、新聞社、

なかでも特に

鉛筆やらマイクを持っている

「記者」を指すように使われますが、

実は視聴者や読者、

ネットを覗いている人など、

つまり今、これを読んでくださっている

あなたをひっくるめて

「マスコミ」なんですよね。

 

最近は「マスゴミ」とも

よばれるようになっている通り

「マスコミ」という言葉には

憧れと侮蔑的な感情が

複雑に絡んでいるように思います。

 

例えば良い事を宣伝する時は

マスコミに

どんどん取り上げてもらいたい。

マスコミの注目を浴びたい、

マスコミに取り上げられれば

商品が売れる・・なんて望む人も

一転、

事件や事故などの

「被害者」のインタビューは

可哀想なのになぜ聞くんだ、

そっとしておいてやれ、って。

みなさんおっしゃいます。

確かに良く聞けるよね、

ということを

ずけずけと聞く記者もいます。

 

あんな事まで聞いて

冷血人間じゃないの?

ばっかじゃないの?

良く聞けるよな。

自分が同業他社の

人間であることを棚に上げて

確かに思う。

 

でも

本当にそうなんでしょうか?

 

いいえ、彼らは自分の

興味先行で聞いているのではなく

みなさんの代わりに現場で

聞いているのですよ。

そういう仕事なんですよ。

 

例えば小林麻央さんが亡くなって

日本中の人が

程度の差はあるにしても

ものすご〜く悲しんで、

残念に思っている。

 

全く興味がない、と言う人は

ほとんどいないのでは?

 

みなさん、周囲にどなたか

がんの方がいたり、

あるいはご自分ががんと闘っていたり。

ご自分にも小さなお子さんがいて、

麻央さんのお子さんたちが

とっても気になったり。

 

みなさんいろんな形で

麻央さんファミリーのことが

気になっているはずなんです。

 

ただ、知り合いでもない

麻央さんのお宅に

電話する訳にもゆきませんしね。

例えば5年10年たったとき、

お子さんたちは元気かなぁ、

どうなったかなー

知りたいな・・・と思うのが

人情だと思います。

 

そんなみなさんの

ご希望を代行する、

あるいは代弁するのが

マスコミなのではないでしょうか?

 

もちろん、時として

えげつない記者もいます。

それはその「社」の、

その「記者」が

下品なだけであって、

マスコミ全体が悪いわけでもない。

 

それに人によってかもしれませんが

心の底のどこかに

とっても「えげつない」

興味を持っている場合もあります。

 

もちろんマスコミが

必要のないことまで

執拗に追いかけて

個人の尊厳を傷つける場合も

なきにしもあらずで、

それは肝に銘じないといけない。

 

それでも

他人に興味津々な性癖というか、

もしかしたら部分的には

ちょっと本能みたいな、

周りの人のことが気になる

おせっかいやらやっかみやら

意地悪やら、いろんな感情が

誰しにも

あるのではないでしょうか?

 

マスコミは大衆の鏡だと思う。

人間は本能的に

自分のことだけではなく

周囲の「社会」あるいは

「人間関係」に興味や

関心を持つからこそ

喜怒哀楽の豊かな

彩りある人生になるのだと思う。

 

隣の人に何が起きようと

本当に?興味がないの?

ほうっておいてあげて?

その後、元気かなぁ〜とか

良い意味でも時に悪い意味でも

気にならないものでしょうか?

 

本当かなぁ。

 

マスコミって

人間の

人を思いやる美しい心も、

ねたみややっかみいっぱいの

最低最悪の心も

単に鏡のように

反射させているだけだと

私は思うのですが。

 

「マスコミ」だけが

本当に悪いのかなぁ。

 

山の中にでも住んで

一人っきりで

引きこもって暮らしていない限り、

あなたも私も

マスコミ、高度情報化時代に生きる

一員なのだと思います。

 

自己弁護なのかな。