趣味で声楽を始めて10ヶ月ほどになります。

実は週一回、30分の個人レッスンと、

二期会の愛好者クラスという

週一回3時間の授業を受けていますので、

私としては珍しく「はまって」います。

 

まだ全くのド素人のワタシだからこそ語れる

「声楽の魅力」についてちょっと語らせてください(笑)。

まず「声楽」というのは私の概念では

「合唱」ではなく、ソロで歌うということです。

合唱では一人の声が突出しないように先生から言われますが

声楽は自分基本、ひとりで歌うので、

お隣の人の声を借りて(?笑)

巧いフリをする・・・という技が使えません。

音程が上がってもさがっても丸わかり。

歌詞を間違えたりすると、

動揺した表情がつい出てしまったりします。

(出してはいけないのですが)

声楽は自分がしっかり歌わないと

当たり前ですが、

誤摩化しが一切効かないのですよね。

これがいいんだわぁ。

 

私は無論プロではないので、

好きなように歌えば良い自己満足の世界です。

今、コンコーネという、

ピアノで言えばソルフェ−ジュや

ハノンといった感じの練習本と平行して

人生で5曲目のイタリア語の歌曲を練習しています。

 

おそらく音楽学校の高校生は

私のようなメニューから

スタートしているのかなと想像しています。

だから気分はオペラ歌手を目指す可憐な乙女❤️

 

ってそこで吹き出さないでください。

 

これまで

1。Caro mio ben 

2。Nel cor piu non mi sento 

3。Vaga luna 

4。Voi che sapete  と意欲的に来て

今はNIna まで来ました。

ちなみに 1と2とNina が

初心者が勉強する三大初歩的歌曲のようです。

 

最初は(今も)イタリア語なぞ全くわからず

Caro mio ben の時は

愛しい人darling なのに「ベン」なの?!と

単純に思ってしまって、

どうも感情が乗らないというか・・・違和感。

Vaga luna もとても美しい曲なのですが、

luna 月は英語と同じ語源のluna だからいいけれど

Vaga 美しいはヴァガですからねぇ。

う〜〜。Vaga luna 美しい月・・・ふうむ。

 

でも今、やっとこさNIna まで来て、

その歌詞の美しさに感動できるようになってきました。

 

Tre giorni son che Nina 

in letto se ne sta.

Pifferi, timpani, cembali,

svegliate mia Ninetta,

accio non dorma piu. 

 

ニーナが床に臥してから

三日経った。

笛よ太鼓よシンバルよ、

私のニネッタの目を覚ましておくれ、

彼女がもう眠り続けないように。

(全音のイタリア歌曲集より)

 

作者不詳の歌詞だそうで、

ニーナという女の子が

ニーナちゃん、と呼ばれていて、

娘なのか?恋人なのか?

死んじゃったのか、元気になったのか、

良くわからないようですが

どういう状況だったにしろ、

美しいメロディーと言葉が抜群で、

歌っているだけで、泣きそうになります。

 

You tube にもアマゾンプライムにも

無料で聞けるものがありますので、

ぜひ聞いてみてください。

 

Caro mio ben にしても

Voi che sapete にしても

(モーツアルトの「フィガロの結婚」の中のアリア)

イタリア語の歌は愛情表現がたっぷりというか、

17世紀、18世紀に作られた歌が

当時の日本人からすると

想像できないほど(笑)情熱的です。

いえ、現代の日本人でも

ここまで情熱的なラブレターとか書くかなぁ?

 

勉強不足の私が言うのも何ですが、

歌舞伎とか能の中には

愛だの恋だのって歌われているんでしょうか?

親子の情みたいなものは

良く描かれているように思いますが。

 

いずれにしても

私が57年も生きて来て、

全く使った事がなく

寂しい事にこれからも使うことがなさそうな

「豊かな愛情表現」が

どっさり出てきます、というか

そればっかり(笑)。

 

逆に日頃の愛情表現がどうも照れくさい人は

いっそのことイタリア語で歌ったほうが

案外、行けるかもです。口説けるかも(笑)。

 

ほうら、ちょっと歌ってみたくなりません?

 

声楽は腹式呼吸が必要で、

歌うとどっと汗をかきます。

今はまだどうしても胸声で歌おうとしてしまうので、

呼吸も変えて、頭声で歌う訓練をしています。

専門的な事はわかりませんが、

とにかく身体に良さそうです。

 

実際には「声楽」は

私のようなビギナーが

単純に慣れ親しめるような

簡単なものではないとは思いますが、

適当に鼻歌を歌うにしても、

ちょっとはまってみると、

何だかぐっと世界が広がったような気がします。

声を出すのは健康的でもありますしね。

 

歌が好きで結構自信もあるけれど

本格的なお稽古は・・・と思っている方

ぜひ「声楽」を始めてみませんか?

私は決して二期会の回し者ではありませんが、

多くの愛好家の方が

自己流でカラオケで歌っていたり、

合唱に紛れて歌っていたり、

勿体ないなぁと思ったりします。

私も始めたばかりで偉そうな事は言えませんが、

歳をとっても続けられそうな趣味を見つけられて

ちょっとほっとしています。

ゴルフやドライブはいつまでも、と言う訳にも

いかないでしょうし。

私の終活の始まりなのかな・・・。