テレビへの就職を考えているみなさんへ

 

何を隠そう、私はNHK女性記者(報道)の二期生です。

昭和59年、1984年の記者(職員+正規)採用です。

83年に一期生の女性記者は2人採用されたものの、

一人は残念ながら、恋♡の道を選んで脱落・・・。

私の記者の先輩はICU卒の飯野(旧姓寺尾)奈津子さん、

(現・山梨局長)

同期は京大卒の藤田美和子さん(現・福井副局長)だけです!

 

意外にテレビの世界で

活躍しているかのように見える女性たち。

でも実は単なるアルバイトだったり、

短期の契約だったり、

日雇いだったり。

それが「現実」なんですよ。

 

画面上では数年華やかでも、

その数年後にはどこに行ったのか?

全くわからない人が多い、

テレビ界の女性たち。

それほど地位は高くないのです。

 

テレビ業界の正職員・社員の「女性記者」の

歴史はとても短く、

飯野(寺尾)さんが「正規職員」として

報道記者として男性と同じ条件で

日本のテレビ業界として採用された第1号なのです。

 

新聞は多少早くて,

NHKが初めて女性記者を採用する際、

ライバル朝日新聞さんに、

ノウハウを教わったと人事から聞きました。

だから新聞の大手4社は

常に先輩だと思って尊敬しています。

 

事実、男性テレビ記者に関しても、

全ては、朝日さんなり、読売さんなり、

先行していた新聞業界の先輩たちを真似て

テレビは始まりました。

 

規模にしてNHKの10分の1程度の

各民放さんが、NHKを手本にしたことは

間違いない事実だと思います。

 

民放さんとNHKは

表面(画面)だけ見ると、

民放さんのほうが華やかだし、

面白いタレントさん、呼んでるし、

NHKより、むしろ行けてるんじゃね?

なのですが、

実は、四季報でいいから

企業としての規模を見て下さい。

全く大きさが違うのです。

資本金、従業員数、全て違うのです。

 

NHKが凄いと言っているのはありません。

 

NHKはみなさまの聴視料でまかなっている「公共放送」

国営と間違っている人も多々いますが、

公共放送です。

Public broadcaser で、nationalではないのです。

 

強いて言えば

NHK is the only nation wide public broadcaster

なのです。

民放さんとは違うのです。

お間違えのないよう、

くれぐれもお願いいたします。m(__)m

 

NHKは国民の皆さんには

全く理解されていませんが、

日本のテレビ界を背負ってきたのは

まぎれもない、NHK=公共放送なんですよ。

 

私がこういう本音を言う事が

この場で、良いのかは、

とりあえず、置いておいて。

おばさんが血迷ったと思っていただいて結構です。

 

私が採用された1984年当時、

女性を「正規社員」として

採用してくれる民放さんは少なかったです。

 

でも試験の日程の順番に受けてみたら、

日本テレビさん(コネがありました)

フジテレビさん(全くコネなし)の

二社が「内定」をくださいました。

 

私は東大卒でも早稲田卒でもなく、

弱小私学、上智の出身です。

しかも日本の高校を出ていない、帰国子女です。

 

上智大学は

マスコミに強いと言われる大学でもなく、

テレビ界に目立った先輩と言えば、

当時TBSさんの社員アナだった

三雲さんくらいでした。

マスコミ界には頼れる先輩が本当にいませんでした。

TBSでも慶応の卒業生で、

私の友人の先輩だった星野さんに

(のちに社会部長になられた

エリートと伺っています。多謝)

何とか、TBSさんの受験の

きっかけをいただいたほどです。

当時は普通の女子学生は

テレビ局を受験することすら

とても難しかったのですよ。

 

だから私のような、

ごく普通の上智の学生が

2つの民放さんから内定を受けるなんて♡

 

それはそののち、NHKとTBSさんを受ける私にとって

どんなに励ましになったことか・・・

 

そもそも当時はNHKの受験には

「指定校制度」なるものがあり、

(昭和62年頃廃止されたと思います)

国立か有名私学の学生しか

受験が出来ませんでした。

 

私学によって、受験票の数が決まっていて、

私の記憶では早稲田と慶応は360枚ずつ、

津田塾も制限があり、

くじ引きで受験資格を決めていました。

上智などの私学はたった10枚でした。

当時上智には27学科あり、

学科のトップ全員にも行き渡らない数字でした。

 

ところが当時の上智はマスコミ志望者が少なく、

私の学科からは親友の佳代子と私が

NHKの受験を志望したらしいのです。

が、学科が同じ佳代子は成績は1番、

わたしは学科内で2番だったそうで、

本来なら、佳代子だけが受験の資格をもらえたのです。

 

私は就職指導室に直訴しました。

「27学科もあるのに、

受験票が10枚とは何事か?!」と(笑)。

昭和58年〜59年のことです。

マスコミを受験させろと直談判にくる女学生は

とても珍しかったのでしょうね。

就職指導室の(記憶では・・・伊藤?)先生が

NHKに直訴して、受験資格者数を、

倍の20人にしてくれたそうです。

だから、私はNHKを受験することが出来て、

同期佳代子ちゃん(成績No.1)とともに

NHIKの内定をゲットできたのです。

 

TBSさんも同時に受験していたのですが、

いかんせん、TBSさんのほうが試験日が遅く、

私は日テレさんとフジさんをお断りして、

三番目に内々定をくれたNHKに

素直に就職しました。

その後たびたび

TBSさんに行っておけばよかったか?という

邪念にたびたび襲われましたが(笑)。

 

NHKに感謝はしています、が、

NHKで良かったかどうか???は

今でもわかりません(笑)。

 

でも就職って、

大学に来る広報資料だけ読んでいると、

自分には

全く可能性がないように思えます。

採用数も少ない、

滑り止めの試験の日程とも重なる・・・

悶々としませんか?

 

学生のみなさん、

就職ってね、自分のためなんですよ、

自分で、ここだ!と思ったら

チャレンジしてみましょうよ。

 

企業側が

「そんなにうちが好きなの?」

「こいつ、使えるかも♡?」と

思ってくれさえすればしめたもの!!

 

自分を見てくさい!と

自信があれば言えばいいんですよ。

採用枠とか例年の数とか、

全く関係がないのですよ。

 

というか、そういう可能性のある学生すら

見つけられない、気づいてくれない企業なら

こっちから見捨ててやればいいっ!

 

で、ライバル会社に就職して、

見返してやりましょうね。

 

私は日テレさんとフジテレビさんに

辞退をお願いしたとき、

数週間の間、

「内定ゼロ状態」になりました。

でも、就職指導室のアドバイスもあり、

とにかくゼロ状態で、NHKの3次と

TBSさんの1次試験を受けました。

 

いま、思えば憧れのテレビ局の内定を

二社も断ったんです・・・。

自分でもどういう心理だったのか?

今、思い出しても実はぞっとします。

若気の至りで、二局を断り、

NHKとTBSさんを受けたのです。

 

今でこそ内定をくださった

二局には感謝していますし、

多少の愛情も残ってはいますが、

当時はほとんど知らない組織です。

単に親が

「フジテレビよりNHKがいいな」とつぶやいたので

それに従ってしまったのかも。

 

その当時の自分なりの駆け引きが

どういう理由から成立したのか?

良くわかりません。

とにかく本能のまま、

こっち行った方がいいかな?と思って

がむしゃらに動いただけです。

もしもNHKに就職したい学生さんたいたら、

ご一報くださいませ。

 

テレビ業界を志望するみなんさんに、

ちょっとお伝えしておきますね。

 

東京のキー局を全部合わせても、

NHKのほうが規模が大きいし、

何だかmisson というか、

使命感が違うように思います。

ごめんなさい。民放のみなさん、

NHKは報道機関であり、

テレビ局ではないのでしょう。

テレビ業界人として、

楽しくエンターテインメントを追求したい人は

東京の民放さんが良いと思います。

でも、NHKで働いてみたいという

物好きな人なら大歓迎。DMください。

給料は民放さんと比べて安いし、

修行は長いし、

女優さんとは知りあわないし、

あまり楽しくないです(笑)。

 

でも、報道が好きなら、

何らかの使命感があるなら、

新聞なら朝毎読、

テレビならNHKに限ります。

就職活動で悩んでいるあなた、

DMくださいね。