マンションのベランダは、花粉を媒介する虫があまり入ってこないので、特に虫媒花の自家採種には役に立ちます。現在、セルバチコを除くアブラナ科の自家採種が大体おわり、現在ベランダではセルバチコ、野生種の三つ葉、エンダイブ、矢車草の自家採種を起こすなっています。

 

 

 こちらは、セルバチコの花の様子です。ワイルドロケット、ワイルドルッコラなどの別名がありますが、ロケットやルッコラと呼ばれる野菜とは全く違うものです。なぜこのプランターに生えてきたのかはわかりません。

 

 

 野生種の三つ葉の様子です。現在の主流品種である白茎系とは違い、茎が紫色です。山などに行くと普通に生えているものです。

 

 

 三つ葉が抽苔して茎が伸びている画像です。ここから白い花が咲き、受粉するといい香りの種をつけます。スパイスなどにできないでしょうか。

 実は、私が小学校2年生ごろ(つまり、私が野菜作りが好きになったころ)に自生している三つ葉が種をつけて枯れているのを発見し、種のにおいをかいでみると、いい香りがしました。ちなみに、当時はパクチーか何かが野生化したものだと考えていました。

 

 

 エンダイブは、コオニタビラコやレタスとは違い、一つ一つの花が大きいようです。アブラムシがたかっていますが、大体はアブラバチに寄生されたミイラです。どんな花が咲くのか、エディブルフラワーにできるか、など楽しみにしています。

 

 

 矢車草(コーンフラワー、セントーレアなどと呼ばれる。山に生えているものとは全くの別物)は、比較的種が採りやすい花だと思います。花卉類の採種が苦手な私でも、驚くほど簡単に種が採れました。しかも丈夫で育てやすいので、ベランダを賑わせてくれました。

 

 

 採れた種子の様子です。発芽試験をしてみたところ発芽率は60%くらいで、あまり高くはありません。ですが、これでも十分来年のベランダで育てられます。

 

 

 こちらは、ベランダで採種するわけではありませんが、九条ネギの乾燥に強いものを選抜した株です。まず、九条ネギを収穫してきて、葉の部分は小口にしたりして楽しみ、根元の部分は部屋干しです。※普通、干し葱栽培は泥付きのまま天日干しします。

 九条ネギは干し葱栽培に適応した品種なので、その性質を失わせないようにするためこのような選抜もしようと思っています。

 

 九条ネギは、九条ネギの中では乾燥に弱い万能系と呼ばれる系統ですが、できるだけ乾燥に強い系統を選抜累代していこうと考えています。株分けでも増やせますが、耐病性をもった遺伝子がある可能性が低くなるため、できるだけ種子増殖(有性生殖)をしようと思っています。