バブルの呪縛解かれた日本株、TOPIXも34年ぶりに史上最高値更新 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
「マネー資本主義を制御せよ!」、
「緩和バブルがヤバい」、
「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アシモグルら)

掲題のブルーンバーグ記事。
 
問題なしとしない。
 
バブルの呪縛から解かれたか否かは大いに疑問。
 
再びバブルの真っただ中にあるとみるのが妥当。
 
なぜなら、日本経済と
その金融市場の間には大きな矛盾があるため。
 
一方で、10%消費税率と
高インフレ税のダブルパンチの中にあって、
少子化、
長期消費停滞、
通貨暴落、
インフレ加速という4重苦のなかで
1~3月期には民間内需総崩れで
マイナス成長に陥ったばかりの日本経済。
 
他方で、2%を超える物価上昇という
火を見るよりも明らかなインフレにもかかわらず、
①大胆な金融緩和、
②機動的な財政政策という刹那的な財政バラマキ、
③民間投資を誘発する成長戦略という
アベ友優遇のパーテイー券付きの利権政治という、
アベノミクス三本の矢を12年間も止めず、
株式、不動産、為替レート等の資産バブル増幅が止まず、
日本経済の4重苦と余りにも矛盾している。
 
いずれにせよ、
これで、筆者3月マンスリーでの予想通りに、
令和バブルは平成バブルを
今日、完全に超えたことになる。
 
バブルはいつか弾ける。
分からないのはそのタイミングだけ。
 
いずれにしても、ご参考まで。
 
 
長谷川敏郎

更新日時 

  • 円安による業績押し上げや脱デフレ、資本効率改善への期待が継続

  • 名実ともに日本株底上げ示す、エントリーしやすい市場-野村AM

4日の東京株式市場で、東証株価指数(TOPIX)が取引時間中ベースの史上最高値を更新した。更新は34年7カ月ぶりだ。

  TOPIXは一時前日比0.6%高の2890.52ポイントまで上昇し、1989年12月18日に付けた取引時間中の最高値2886.50を上回った。日本企業の業績が堅調に推移する中、投資家の間で長期にわたったデフレ経済からの脱却や日本企業の資本効率改善に対する期待感が続いている。

TOPIXの長期チャート | 89年の最高値上回る

 

 

  半導体などテクノロジー株の影響が大きい日経平均株価は今年2月、一足先に史上最高値を更新していた。日本株市場全体の値動きを示すTOPIXも今回高値を更新したことは、投資対象が他の業種にも広がっているほか、日本株市場がバブル経済の呪縛から解き放たれたことを示す。

  野村アセットマネジメントの石黒英之チーフ・ストラテジストは「一部銘柄にウエートが偏っている日経平均とは違い、TOPIXの動きは名実ともに日本市場全体の底上げと最高値を示す」と評価した。日本がデフレ脱却に向かう中でバリュエーションは米国株に比べてなお低位にあり、今からでも「エントリーしやすい市場だ」とみている。

  1ドル=160円を超す水準まで進んだ円安は自動車など輸出関連企業の業績に寄与し、日本銀行による金融政策正常化の動きも日本経済がデフレから脱却する流れと受け止められている。さらに、東京証券取引所が後押しするコーポレートガバナンス(企業統治)の改善を評価した資金も足元では大型バリュー(割安)株中心に海外から日本市場に流入している。

日銀が17年ぶり利上げ決定、世界最後のマイナス金利に幕-YCC廃止

  大和証券の集計によると、上場主要企業(除くソフトバンクグループ)の2024年度経常利益は前期比5.9%増と、4期連続で過去最高益更新が予想されている。製造業では自動車の増産、電機・精密・機械の復調、非製造業では実質賃金増やインバウンド需要増などが貢献する。25年度も8.6%増益と連続最高益は続く見通しだ。

ガバナンス改革

  バンク・オブ・アメリカ(BofA)が6月に行った世界のファンドマネジャー調査によると、日本株は引き続きアジアで人気のある市場で、回答者の3分の1が最も重要なテーマとしてコーポレートガバナンスの改善を挙げている。アナリストらは、東京証券取引所によるTOPIXの見直し計画がガバナンス改革に向けた圧力になるとの見方を示す。

  ゴールドマン・サックス証券のチーフ日本株ストラテジスト、ブルース・カーク氏は「日本企業は依然として東証からのコーポレートガバナンス改革の圧力に応えることに非常に熱心だ」と指摘している。

日本株の活気失われつつある、選好度1位は維持-BofAアジア調査

TOPIX見直しで小型株に異変、当落線挟み株価明暗-上位1200の壁

4日の日本株相場の詳細
  • TOPIXは前日比0.6%高の2888.10-午前10時1分現在
  • 日経平均株価0.3%高の4万0717円09銭

  米国の経済指標下振れを受けた利下げ観測の高まりで、国内市場でもリスク資産への買いが継続。自動車や機械など輸出関連、商社や非鉄金属、海運といった海外景気敏感業種が高い。エヌビディアなど米半導体関連株の上昇も追い風となり、電機や精密機器も堅調。

    東証33業種中、29業種が上昇、上昇率トップは非鉄金属、下落率トップはその他製品。売買代金上位ではアドバンテストやトヨタ自動車、商船三井、ルネサスエレクトロニクス、住友金属鉱山が高い半面、防衛省との潜水艦修理契約で架空取引が判明した川崎重工業は大幅安。

背景

(4日の日本株市場の取引詳細などを追記します)