【今朝の5本】仕事を始める前に読んでおきたい厳選ニュース | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
「マネー資本主義を制御せよ!」、
「緩和バブルがヤバい」、
「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アシモグルら)

掲題の今朝のブルーンバーグ記事。
ご参考まで。
 
松井玲

  • 米ISM非製造業指数が大幅上昇、ADP民間雇用者数は予想下回る

  • カナダ中銀が利下げ、時価総額3兆ドル突破、SEC規則無効の判断

Japanese 10,000 yen, left, and US 100 dollar banknotes arranged for a photograph in Tokyo, Japan

Japanese 10,000 yen, left, and US 100 dollar banknotes arranged for a photograph in Tokyo, Japan

 Photographer: Noriko Hayashi/Bloomberg

ニューヨーク外国為替市場で円がドルに対して一時1%下落し、156円台半ばを付けました。きっかけとなったのは米国のサービスセクターの指数。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回るサプライズで、ドル買い優勢となりました。一方、カナダ・ドルは一時、大幅に下落。中央銀行の判断が影響を及ぼした格好です。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

9カ月ぶり高水準

米供給管理協会(ISM)が発表した5月の非製造業総合景況指数は53.8と、9カ月ぶりの高水準となった。予想中央値は51。前月の49.4からは4.4ポイント上昇と、昨年1月以来の大きな上げ幅を記録した。特に業況指数が61.2と大幅に上昇し、2022年11月以来の高水準。弱いデータが最近続いていたため、今回の指標は経済に対する一定の安心感をもたらす。

低い伸び

ADPリサーチ・インスティテュートがまとめた5月の米民間雇用者数は15万2000人増と、伸びが1月以降で最も低くなった。市場予想は17万5000人増だった。特に製造業が2万人減と、昨年7月以来の大幅減少となったほか、専門職・ビジネスサービスや鉱業などでも減少した。娯楽・ホスピタリティーの雇用は昨年11月以降で最も低い伸びにとどまった。政府部門の雇用も含む5月の雇用統計は7日に発表される。

先陣切って利下げ

カナダ銀行(中央銀行)は政策金利を0.25ポイント引き下げ4.75%とした。経済のソフトランディング(軟着陸)が視野に入る中、主要7カ国(G7)の先陣を切って金融緩和に着手した。ブルームバーグの調査でも、利下げが広く予想されていた。カナダ中銀はインフレ率が2%の目標に向かっているとの確信を深めており、さらなる進展が得られれば「追加利下げを想定するのは理にかなう」としている。発表を受けて、カナダ国債は上昇。カナダ・ドルは対米ドルで下落した。

3兆ドルクラブ

米半導体メーカー、エヌビディアの時価総額が3兆ドル(約468兆円)を突破した。3兆ドルクラブ入りはアップルとマイクロソフトに次いで3社目。エヌビディア株は5日のニューヨーク市場で前日比5.2%高で終了し、時価総額でそのアップルも上回った。人工知能(AI)関連支出が世界的に拡大する中、その恩恵を最も受ける企業だと市場で評価されている。今年に入ってからだけでも株価が147%上昇し、時価総額が約1兆8000億ドルほど膨らんだ。

手数料開示は不要と判断

ヘッジファンドやプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社に手数料と経費の詳細を投資家に毎四半期説明することを義務付けた米証券取引委員会(SEC)の規則について、米連邦高裁は無効との判断を示した。プライベートファンド業界を取り締まりたい当局にとって打撃となった。ニューオーリンズの高裁判事3人は、SECが権限を逸脱しており、プライベートファンドに資金を投じる「極めて精通している」投資家にこうした規則は不要だと主張する業界団体を支持した。SECは判断を精査しており「適切な次の段階を決める」とした。

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