FRBの次の行動、利上げになる「可能性それなりにある」-サマーズ氏 | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

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「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アシモグルら)

掲題の昨日のブルーンバーグ記事。
 
昨日紹介済みのウォール・ストリート・ウィークで
サマーズが述べていたもの。
 
かなり説得的。
ご参考まで。
 
アンスティー・クリストファー

  • 小さなパラダイムシフトの可能性を認識する必要

  • 住宅やサービス価格が物価圧力として続く可能性

Lawrence Summers

Lawrence Summers Photographer: Ting Shen/Bloomberg

      サマーズ元米財務長官は、最新のデータで明白に見られる根強いインフレ圧力は米金融当局の次の行動が利下げではなく、利上げになる可能性を示唆しているとの考えを示した。

 

  サマーズ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「次の動きが金利の引き下げでなく、引き上げになる可能性はそれなりにある。恐らく15%程だ」と発言。「米金融当局は非常に慎重になる必要があるだろう」と述べた。

 

  今週発表された米国の1月消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)はいずれも市場予想を上回る伸びを示し、市場では今後数カ月の利下げ観測が後退した。

 

  「単月の数字を過大に解釈するのは常に間違いで、季節性の計算が困難な1月は特にしかりだ」とサマーズ氏は指摘。「しかし、小さなパラダイムシフトの可能性を認識しなければならないと考える」と話した。ハーバード大学教授の同氏はブルームバーグテレビジョンに定期的に出演する。

 

  ここしばらくエコノミストの間では、住宅コストが全体的な物価指標の著しいデフレ要因になると予想されていたが、それはまだ実現していないと同氏は指摘。賃貸部門はさておき、持ち家のコストはデフレの様相を見せておらず、2024年を通じて価格圧力を持続させる可能性があるとの見方を示した。

 

  「気がかりな兆候はそれだけではない」ともサマーズ氏は発言。食品とエネルギー、住宅を除いたコアサービス価格が賃金上昇によって押し上げられていることがもうひとつの主な懸念だとし、「1月のスーパーコアが衝撃的だったように見えるのは確かだ」と同価格について語った。

Supercore CPI Gauge Surged | Services industry has seen wages climb

 

 

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原題:Summers Sees ‘Meaningful Chance’ Next Fed Move Will Be a Hike(抜粋)