掲題の今朝の毎日社説。
かなり説得的。
ご参考まで。
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係について説明責任を果たすどころか、不誠実な答弁を繰り返す。宗教行政を所管する文部科学相としてふさわしくないのは明らかだ。
2021年衆院選の際、教団の友好団体から支援を受けたとされる盛山正仁文科相である。
朝日新聞が、推薦状を受け取ったと写真付きで報道したのに続き、団体との「政策協定」にあたる推薦確認書に署名したとの関係者の証言を報じた。
自民党が22年9月に行った教団との接点に関する点検に対して、盛山氏は関連団体の会合で1度あいさつしただけだと回答していた。選挙支援については申告していなかった。
受け入れがたいのは盛山氏の説明だ。7日の衆院予算委員会で「写真を見てうすうす思い出してきた」として、政策協定に「内容をよく読まずサインしたのかもしれない」と一旦は語った。
ところが翌日になると「記憶にない」を連発し、「サインをしたかどうか覚えていない」と説明を一転させた。衆院選で200を超える団体などから受けた推薦書は全て処分し、リストも作っていないため確認できないという。
国会答弁は国民の代表に説明する場である。簡単に翻すとは、重みを分かっていないのではないか。
たとえ記憶や記録がなくても、教団側に聞けば分かる話だ。関係を絶っていることを理由に、自らの疑惑についての確認を拒むのは詭弁(きべん)という他ない。
文科省は東京地裁に旧統一教会の解散命令を請求しており、近く審問が始まる。トップが教団の掲げる政策を推進する文書に署名していたとすれば、公平な審理を進められるか疑念を持たれる。
高額献金などの被害者からは「盛山氏が大臣のままでは教団と戦っていくことはできない」との批判が出ている。
新たな接点が判明した今、本人が説明しないのであれば、岸田文雄首相が更迭すべきだ。放置すれば国民の政治不信が募るばかりである。
今回、自己申告頼みの点検結果のずさんさが露呈した。自民が長年続いた教団との関係を清算するには、徹底した再調査が不可欠だ。