Review & Outlook 14/4/7 その3(展望) | 元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

元世界銀行エコノミスト 中丸友一郎 「Warm Heart & Cool Head」ランダム日誌

「経済崩落7つのリスク」、
「マネー資本主義を制御せよ!」、
「緩和バブルがヤバい」、
「日本復活のシナリオ」等の著者による世界経済と国際金融市場のReviewとOutlook

「国家の盛衰を決めるのは、政治経済体制が収奪的か包括的かの差にある」(アセモグルら)

今週の主な注目ポイント: 日銀決定会合、米決算+SQ


日銀金融政策決定会合4/783月の同決定会合で黒田日銀は、市場予想通り、金融政策の現状維持を決定。しかし、日本株はその前後で相変わらずの乱高下をみせた。今月の決定会合でも、最近の株高と円安傾向などを背景に、また消費税率引き上げの影響を当面見極める必要性などから、日銀が政策の現状維持を決めることは確実。だが、市場は、それでも市場コンセンサスとは独立に、短期筋の思惑が優勢となり、また、週末予定のSQを前に会合前後に、今回も相場乱高下を再現する可能性は小さくない。



米企業決算
4/8~)今週から米企業決算(13月期)発表が開始される。同発表が本格化するのは来週および再来週の2週間。今週はその「前哨戦」としてアルコア(火)とJPモルガン(金)等の決算発表に注目。トムソン・ロイター社の集計によれば、S&P500社の一株利益は13月期に前年同期比+%(46月期同+8%予想)と、ごくわずかな増益率に止まる模様。先週末の米株が調整したように、米市場は、現在ほぼ史上最高値圏にある米株価の割高さに、今後改めて焦点を当てていく可能性があることに留意。


FOMC
議事録4/9319日終了した前回FOMCの議事録が公開される。前回FOMCでは市場予想通りQE3の段階的な縮小(100億ドル減額)が決まったが、FOMC委員が政策金利の引き上げ時期が前倒しとなる見通し(いわゆるドット(点)見通し)を示唆した。またイエレンFRB議長は、記者会見で利上げ時期はQE3終了後の半年後などと発言し、市場は一時的に落胆した。今回議事録で利上げの時期は経済指標に依存し、当面早期利上げの必要性は小さいとの見方が示唆されれば、市場は好感する可能性あり。



新規失業保険申請者数
4/0今週は31.8万人と、前週の32.6万人からの低下(改善)が、市場で予想されている模様。



日経225指数オプション満期(SQ)日
4/11通常SQ前には、プットとコールの権利行使価格を巡るオプショントレーダーのせめぎあいの中で、株式市場が乱高下しやすい。加えて、日銀金融政策決定会合を巡る思惑が、市場変動率を一段と増幅する可能性がある。なお、3月のメジャーSQでは、前日の米株大幅下落を背景に、日経225の寄り付きが前日比約マイナス400円強という大幅安を記録したことは記憶に新しい。


今週のマーケット・レンジ: 


日経225予測   -2sd   -1sd              +1sd   +2sd
週間予想変動幅 ¥14130 ¥14597 ¥15064 ¥15531  ¥15998
月間予想変動幅 ¥13209 ¥14025 ¥14841 ¥15657  ¥16474 
年間予想変動幅 ¥8797   ¥12544  ¥16291 ¥20038  ¥23785


ドル円予測   -2sd   -1sd                 +1sd   +2sd
週間予想変動幅 ¥100.19  ¥101.74
  ¥103.29  ¥104.84  ¥106.39
月間予想変動幅 ¥96.63   ¥99.94     ¥103.24   ¥106.54   ¥109.85 
年間予想変動幅 ¥82.61   ¥93.99  ¥105.37   ¥116.75  ¥128.13


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