帰宅途中に見えた月。

とても美しくて癒されました。


埼玉県S市のALS患者さんのところに 
介助に入らせていただいて 
2日目の昨日。
  


一昨日は先輩ヘルパーさんと 
一緒でしたが 

昨日は、1人での介助でした。
 
  



前日に先輩ヘルパーさんから聞いた 
1日の流れは、 
メモをまとめたので
なんとかなりそう。
  

問題は、コミュニケーション。 
今日は文字盤取れるかな…。
 
  


1人というプレッシャーで
緊張しつつ、 

優しい訪看さんや 
他事業所のヘルパーさんに 
助けていただいて。
  


午前中は患者さんが 
ほぼ入眠されていたこともあり 
なんとか無事に過ぎました。
 
  



午後になり、 
覚醒された患者さんが 
なにかを訴え始めます。
  

「文字盤ですか?」と聞くと 
「うん」というお返事。
 
  


ドキドキしながら文字盤をかざし 

なんとか読み取らねばと必死の私。 
そして伝えたいと必死の患者さん。
    


「…れ、ですか?」 

違う、といら立つ患者さん。
 目線を首元に。
  


あ、メラチューブの位置調整だ!
 

 「持続吸引のチューブ、 
もっと口の奥にいれますか?」
 「うん」
  

チューブ位置を調整して終了。
 
  


うーん、また読み取れなかった…。 
そこではたと気づく私。
  

もしかして、 
「れ」の2つ隣の「め」だったのか…。
 メラチューブの「め」。
  


もしそうなら、 
自分がこれと思った文字が 
違っていたら、 
横に移動して読んでいけばいいのかも。



でも、このあと、 患者さんは
私に文字盤を取らせることを 
諦めてしまったようで、
  

夕方の訪看さんが来るまで 
ずっとテレビを観て過ごされました。
 
  



こんなにもできない自分が悔しくて 

患者さんに我慢させていることが 
とても心苦しくて
  

泣きそうになるのを 
必死にこらえました。
 
  


言葉がわかってもらえないのは 
どんなにつらいだろう。
 
  



今回はヘルパーさんが体調不良で 
シフトに穴があいたということで 

緊急対応のヘルプで 
入らせていただいているとはいえ
  

患者さんにとって 
ヘルプになっているんだろうか…。
 
  



夜勤のヘルパーさんと交代して 
患者さんにご挨拶して退室。
  


帰るときに、 

「今日も文字盤が取れなくて 
本当に申し訳ありませんでした。 
また明後日来ます。」
と言うと、
  

患者さんは、優しい表情で 
まばたきしてくださいました。
 
  



自分の不甲斐なさに
帰宅する足取りは重く。
  


電車に乗ってふと窓の外を見ると 
きれいな満月が 
優しく光っていました。
 
  


その美しい月を見ていたら
  

落ち込んだまま介助に入っても 
患者さんに喜んではもらえない。 
私は私にできることを 
精一杯がんばろう。 

 そんなふうに 
少し気持ちが救われました。
 
  



今日は1日お休み。
 

 たまっている家事を片付けて 
たまっているメールに返信して
  

あとはのんびりしようと思います。



最後まで読んでくださって
ありがとうございました。