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東京都知事選挙が6月20日に告示され、
毎日舌戦が繰り広げられていますね。
立候補者がたいへんに多いことや
選挙ポスターの掲示についての問題が
ニュースで大きく取り上げられて
いろんな意味で
全国から注目が集まっています。
障がいのある方の投票については
投票所で代筆してもらえる代理投票や
自宅で投票できる郵便投票などの方法が
認められています。
しかし、
投票所に行くこともできず
自分で候補者名を書くこともできない
重度の障がいを持つ方について
自宅にいながら
代筆で郵便投票ができるという
制度ができたのは
今から約20年前の2003年7月です。
それまでは、
郵便投票の制度はありましたが
自宅での代筆での投票は
認められていませんでした。
代筆での郵便投票が
認められることになったのは
3人のALS患者さんの訴えが
きっかけです。
2000年、3人のALS患者さんが
特別な装置などを使えば
「誰に投票したいか」を
伝えることができるのに、
投票所に行ったり
自分で字を書いたりが
できないために
投票する方法がないのは、
憲法に違反すると主張して
裁判を起こしました。
裁判で患者さんたちは
「郵便投票で代筆を認めるべきだ」
と求めましたが、
国は
「不正を防ぐために
自分で書いたものでないと
認められない」と反論します。
2002年11月、
東京地方裁判所で判決が言い渡され、
裁判長は次のように指摘しました。
「投票の意思を示すことはできるのに、
自分で書くことができないために
選挙権を行使する機会を奪われている。
患者の家を訪ねる方法も考えられるし、
海外には同じような人たちが
投票できる制度もある」
そうして、
患者が選挙権を行使できないのは
「憲法違反の状態」だという判断が
下されました。
この判決を受けて
法律が変わったのです。
判決の翌年の2003年7月、
「代筆による郵便投票」が
認められることになりました。
この改正で、郵便投票の対象に
介護保険制度で介護が必要と認められた
寝たきりの人たちも含まれることに。
当時、
新たに25万人の人たちに
投票の道が開かれたのでした。
たった3人のALS患者さんたちが
起こした奇跡。
選挙で投票するという
当たり前の権利が
認められた意義は
とても大きなものがあります。
重度の障がいがあって
なかなか投票所に行けない方も
自分で文字が書けない方も
どうか、投票することを
諦めないでください。
代筆での郵便投票は
事前に、お住まいの自治体での
手続きが必要です。
詳しくは、
市町村の選挙管理委員会に
確認してくださいね。
最後まで読んでくださって
ありがとうございました。