雨上がりの午後、書類を打っていると町内放送が。
「……黙祷してください。黙祷」
手を休めてしばし目を閉じます。
8年前のこの日、私はたまたま自宅に戻っていました。
そこでは、体調不良で保育園を休んだ長男と、おにいちゃん命(当時)な二男が一緒に昼寝をしようかというところでした。
三男は妻のお腹の中![]()
地震発生。
あまりの揺れに泣いたあと、二人とも恐怖のあまり一瞬で寝てしまったんだったな。
まだまだ赤ちゃんだったな。
すっかりでかくなったな。
三男も無事に生まれてよかったな![]()
犠牲者のためとの名目で黙祷しながら、こうして無傷だった身内のことばかり考えていていいのだろうか。
不謹慎じゃあるまいか![]()
あの日の夜は真っ暗だったな。
自宅はIHでお湯も沸かせないから、事務所のガスレンジでインスタントラーメンを作ってみんなで食べたっけ![]()
ああ不謹慎だな。
もうすぐ1分経っちゃうな![]()
「ご協力、ありがとうございました」
町内放送担当のおねえさん。
いや、おねえさんに言わせているエライ人たち。
ご協力って何でしょう?
誰の、誰に対するご協力?
なんで市役所が(黙祷をした)市民に感謝するの![]()
震災を風化させないための一手段として黙祷を推奨する、というのはわからなくはありません。
しかしこのお役所発の「ありがとう」はいかにも的外れですし、とんちんかんですし、意味不明だと思います![]()
黙祷の数だけあの日の記憶があります。
黙祷しなくてもあの日の記憶はあります![]()
黙祷はするけど今は心ここにあらずな人。
黙祷はしていないけど日頃から真摯な人。
黙祷をする自分にいつも酔っている人。
黙祷などというパフォーマンスは常に嫌悪する人。
黙祷しながらも薄目を開けている人。
それぞれ思いの多寡や種類こそあれ。
心のどこかで、ふとしたときに。
犠牲者の冥福を祈らない日本人がいるでしょうか。
被災地の復興を願わない日本人がいるでしょうか![]()