青がテーマの展覧会を3つ巡る その2 太田記念美術館「青のある暮らし」 | けろみんのブログ

けろみんのブログ

日記・観た映画のこと・観た展覧会の感想

1日で「青がテーマの展覧会を3つまわる」友人とともに楽しみました。その1が戸栗美術館、その2は太田記念美術館です。

①戸栗美術館 「青のある暮らし」2019.7.2~9.22
②太田記念美術館「青のある暮らし」
2019.7.2~7.28
③郷さくら美術館「日本画 青・蒼・碧」展
2019.6.4~9.1

夏の青色イメージ(郷さくらの展示品)

原宿の太田記念美術館。駅からすぐで大好き。私はパスポートを買っているので何度でも通えます!
この美術館は作品保護のために4週間以上の展示を行いません。この素敵なテーマの展覧会も7月28日で終わってしまいます。お早めに!
 
江戸ブルー、江戸時代の人々は藍で染めた服、染付のうつわを好んで使っていました。スキッとした青色は江戸っ子気質にお似合いだったのではないでしょうか。

また、浮世絵の製作においても青は重要です。特に19世紀初頭にベルリンブルー(ベロ藍)が普及し、色褪せない綺麗なぼかしが可能になり、益々浮世絵が青に染まりました。

この展覧会では青いファッション、うつわ、植木鉢などの雑貨が描かれた作品が紹介されます。

ファッションでは浴衣に描かれた大胆な柄。蟹、ハマグリ、蛸など海産物が描かれていて江戸時代のデザインの自由な感性が楽しめます。
アクセサリーを同じ色で統一するなど江戸女性のオシャレも見所です。女性だけでなく青は男性の刺青に使われ男性美を演出。歌舞伎では浅葱色で小物を統一していました。

うつわは、戸栗美術館で見た実際の陶器が絵の中で実用品として登場しているので感動しました。おなじみ蛸唐草、みじん唐草も登場します。
四角く切られたスイカがとても美味しそう。鰻も山盛りでとても美味しそう。昔はうなぎたくさん取れたのですね。もう取れないし、うなぎは食べなくてもいいと思うよ(単に鰻が嫌いなだけ笑)

北斎、広重の風景での青の効果的な使い方も見所です。
初期の浮世絵では青は露草を使って彩色されていたので今では色褪せ、灰色になっています。
藍染は、ぼかしが聞かないのが欠点です。

ベルリンで偶然合成できるようになったベロ藍が中国で量産されるようになったことで美しいグラデーションの青が主流になりました。

葛飾北斎の富嶽三十六景もかなりの数の作品が輪郭に藍、その他をベロ藍主体の作品があります。


その他藍染着物の作り方などが紹介されており、とても興味深いです。
下の染色風景の浮世絵はトーハクの、松方コレクションです。今回の太田記念美術館では展示されていません。

こちらもトーハクです。

浮世絵の着物の表現、ノリの効いたパリパリ音のしそうな木綿、お風呂上がりのほかほかの肌に馴染むクタっとした木綿、豪華な絹地の着物、粋な麻の縞模様など布地の質感まで描かれているところが、特にたまりません。

とても素晴らしい展覧会でした。
ここからは副都心線にて、中目黒の郷さくら美術館へ。
続く→
ナマニクさんコーーーナーーーーー!