三国志展 | けろみんのブログ

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日記・観た映画のこと・観た展覧会の感想

日中文化交流40周年記念
2019.7.9~9.16まで
東京国立博物館平成館にて開催されています。
初日の今日は賑っていました。 

2019.7.14
三連休の中日、かなり混んでましたが、入場制限がかかることはなかったです。



・東洋館では、関連展示が多数あるとのこと。時間があれば東洋館にも回りたいです。東洋館はロッカー空いているので、荷物はここがオススメ。


今回はナマニクさんと一緒に行きました。音声ガイドも借りました。
吉川晃司さんがナビゲーションを務めてらしてます。吉川英治と名前つながり?ではなく吉川晃司さんは三国志の造形が非常に深いことで有名だそうです。

フィギュア。なかなかいい作り。

吉川晃司の良い声、重厚な語り口が三国志の世界へ誘います。あれ?こんなにいい声だったの……?

「モニカ」「ラヴィアンローズ」でのビンクのダブルスーツのチャラいあんちゃんのイメージしかなくて申し訳なかった


美関羽。

私は中国史が不得意です。唯一ゲームで三国志をやったくらい。諸葛孔明が三顧の礼をすると仲間に加わりゲームが進むはずなのに全然加わってもらえず、話が進まないのでリタイアしました。

劉備が諸葛孔明の家に行ったところ。

今回展覧会が始まると聞き、日本画の画題によく「赤壁の戦い」など古戦場や、詩に関する作品があるので画題の背景を知るいい機会と思い、何も下調べせず平成館1階のビデオで簡単に勉強して挑みました。



全ての章に漫画三国志、人形劇の三国志の展示。音声ガイドは小説三国志。どの分野から入った人でもとても懐かしく、わかりやすい展示になっています。

赤壁の戦いのイメージの展示法が迫力ありました。



弩越しに写真を撮ると、なかなか凄惨なかんじにとれますよ!




吉川晃司の吉川英治小説朗読によると、この場面諸葛亮が矢を製造を命じられ、船に藁などを積んで矢が刺さるようにして敵方の攻撃に晒し、まんまと敵の矢をたくさん拾ってきたという知恵較べのお話。この部屋はインスタレーションのようになっていて想像膨らみます。

ほかの展示室もライティングや展示法が素晴らしいです。

そして、日本の国宝にあたる一級文物が多数展示されていて、歴史だけでなく美術鑑賞もたっぷり出来ます。


1800年前!中国は後漢の時代。黄巾の乱が起こって国が乱れ魏、蜀、呉の三国が覇権を争う時代に突入。


桃園で関羽と劉邦と劉備が誓を立てるところ。漫画三国志(横山光輝作)の原画。




まずは三国志を知らない私のためにおさらいです。


45年間のお話なんですね。



魏ー曹操「厳かな国」
蜀ー劉備「めぐみの国」
呉ー孫権「賑わいの国」

西高穴村にて2008~9年にかけて本物の曹操の墓が発見されました。物語の中の三国志が一気にリアルなものになってきました。

《魏》


曹操のお墓は彼が戦乱で弱った国の負担にならないよう葬儀は簡単にして欲しいという遺言通り、副葬品その他質素な作りになっています。

うちの旦那さん曹操たちの人形に釘付け!テレビで見た三国志の思い出があふれてきたのでしょうね。


曹操高陵で発見された白磁。これまで白磁は6世紀後半に出現したとされていて、220年に葬られた曹操の墓から白磁が出土したとなるとかなり誕生が遡ることになり、大変なことなのです。
トーハクの研究者ふたりが陶磁史的な視点と考古学的な視点でみてたしかに白磁で、器の形と作り方から3世紀のものであると結論づけたそうです。マイセン窯を作らせたアウグスト強王も驚き!


ゴシック建築のような作りのお墓を再現した展示室も素晴らしいです。まるでお墓を探検するみたい。壁の質感も凝ってます。



後漢の首都河南省洛陽に首都を構えますが漢時代より宮殿を小さくし、より民の便宜をはかったそうです。また、道を石で舗装し移動、流通に便利なようにした、素晴らしい賢帝でした。

しかし、そんな魏は208年、赤壁の戦いで大敗します。



今まで魏の曹操は悪者のイメージでしたが、近年変わってきたとのこと。


赤服が曹操です。なんかいじめられたみたいな顔です。

私のゲーム体験でも、すごいHPで最初の方の難敵だった事を思い出しました!

しかし、遺跡発掘調査で質実剛健な、合理的な人柄だったことがわかってきました。

《蜀》


蜀は、自然豊かなめぐみの国。副葬品に見られる表情は穏やかで、お魚、お肉が沢山出てきます。中華三昧の国ですね。

《呉》


呉は、賑やかな交易の盛んな国です。インドや遠く西方から渡った品々が残り、また、青磁で有名です。マイセンの1000年前には青磁を作っていたという……


そして最後は西晋に統一されて三国志は終わります。



「晋が呉を平らげ、天下泰平となった」
ここで展示は終わります。

展示は時代をおいつつテーマごとにわかれているので上手く時系列にまとめられませんが、好きな作品の写真を上げて終わりとします。

関羽が義理を果たして帰ってきたら誤解した誰かが超怒ったというシーン。話聞いてあげて。
全体的にカラフルなのに、後ろの掛け軸がサッパリしています。
あの世で豚肉が食べられるよう供える玉豚。(一級文物)
2世紀の中国人はあの世のお食事の心配をしてあげてます。優しいですね。

壺(一級文物)後漢時代は厚葬と言って豪華な副葬品を供えました。
可愛い豹のピンです。絨毯を止めるものです。
獅子。日本と違いリアルです。漢の宮殿で実際獅子を飼っていたという説もあり、リアルな背中の曲線など本当に目にした人が作った可能性大。
象もリアルです。2世紀に既にプリミティブなところはなく、後ろ足など素晴らしいです。
この時代青銅は貴重品。通常副葬品には焼き物をつかうところ、青銅製にしているところからかなり身分の高い人のお墓ではないかとのこと
今にも動き出しそう!
2世紀の副葬品。現在中国はお箸を縦置きにしますが、この頃は日本と変わらないです。お箸の上の食器は耳坏と言ってお酒を飲むうつわです。
鏡台の上部の拡大です。ペイズリーのような模様が楽しい。
5層穀倉楼。渡り廊下は本当に中は突き抜けています。
この模様がとっても可愛い。
上についてる鳥もすごく可愛い。
1~3階は穀倉、その上は物見櫓になってます。


こちらもまるでドイツのメルヘン街道のような模様の邸宅。賑わってますし動物がいっぱい。
三連穀倉楼
このシリーズ最高の可愛さ。
上から穀物を入れ、下の穴から取り出すのかしら。
モダンなデザインです。
伊勢海老みたいな人は、諸葛孔明に逆らい続けていたけど心は手懐けられていたという人。今でもこの地方での諸葛孔明の人気は高いそう。
鳥可愛い
これも鳥。
髪飾り。
古代のアイロン。家事もぶきっちょには難しそう。
紙発明されてまもない頃の紙。
物差し。
豚小屋。中の茶色のもの親子の豚。左奥の建物は便所。ここで人間が用を足し、それを豚が食べ、その豚を人間が食べ、用を足し、それを豚が……
1歩間違うと有毒物質の濃縮がおこります。
前方後円墳?
これ!千葉の米屋のピーナツモナカの箱そっくり。
蜀の国は美味しいものが多いのでみんなニコニコしてます。



楽器を引く人。
おどける人。屈託がないです

番犬は、いかめしい!
「僕は〜と言います。元気ですか?」という名詞。大きさは統一されていた模様
なんとか無理やり、失われた作り方の帯留めを再現した、ため息が出るほど美しい金の帯留め。

揺銭樹
不思議な模様に頭がすっ飛びます。お金はあの世でもお金に不自由しませんように、その他仙人のように暮らせるようになどの願いがこめられてます。
全体はこのような、この世のものと思えない繊細な姿。
作品名メモし忘れました。カエルがいます。
反対側にはよくできた鳥が。仙人図みたい。
イタリアの真実の口みたい。

虎型棺座。虎がまもってくれるのかな?
うずくまる虎は武力による統治のイメージだそうです。
口開けてます

三国志登場人物の中、唯一印鑑が残されているもの。実在するとわかるとさらにわくわく。



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