奇想の系譜展と、東京国立博物館の常設展 | けろみんのブログ

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「奇想の系譜展」は後期展示が3月12日から始まりましたので行ってきました。
文化庁蔵 重要文化財 曾我蕭白「群仙図屏風」が早く見たかったのです。

同じような考えの方が多いようでこの作品だけとても混んでいました。伊藤若冲とか案外見やすかったです。

その後東京国立博物館の常設展などに行きました。


覇気のなさそうな踊り


曾我蕭白は伊藤若冲より15歳年下で、若冲より20年ほど先に亡くなりました。京都の商家の出ということで意外に接点があったかもしれません。
若い頃は伊勢や播磨などを旅し、狂気を感じる色彩の作品や筆が勝手に暴走したような水墨爆発みたいな作品を描きましたが、晩年は京に留まり、画家として穏やかに生活していたそうです。
後期展示の「獅子虎図屏風」は小さな蝶々に過激にビックリする、まるでニャロメみたいな獅子とそれを見て呆れている虎を描いた作品で思わず笑いたくなります。

さて、今日のお目当て「群仙図屏風」です。図録には大きな図版、拡大図があり、図録を買ってからずっと眺めていました。会場の「曾我蕭白」のところには「醒めたグロテスク」とあり、図録解説には「どぎついほど強烈な配色」とあります。しかし図録の写真で見る限り確かに変な絵だけどそんなに奇怪では無いと思っていました。ところが実物の色は印刷では出せない鮮やかさで、しかも複雑に色が絡み合う不思議な世界でした。保存状態がよかったこともあり、どの色も冴え冴えとしています。
左隻


上部分の仙女の着物は紫色で、服のひだ毎に何色も使い陰影が付けられています。桃は、気持ちの悪い緑に赤紫、桃の花色も冴えています。


蝦蟇仙人は超気味の悪い緑色で、純白の蝦蟇を背負ってます。胡粉で体中にイボ状の模様が丹念に描いてあります。この細さは伊藤若冲と似ているかも。


右隻


この鳳凰の色合いが凄い!
頭は鮮やかな紫で自然に黄色に繋がっていきます。羽は、淡いピンク地に青で陰影がついていてこの世のものとは思えない色のハーモニー。想像上の生き物が実在しているかのようなリアルな筆致と鮮やかな色彩で描かれています。笙を吹く仙人とその左にいる大きく手を振っている人物は(曾我蕭白自身を描いたかもという意見もあり)細かく横に揺れ動き風の激しさを感じます。
何もかも緻密に美しい色合いで描かれているのに時折毒々しい色があり、全体的にサイケ。不思議な魅力の作品で、長いこと眺めました。

奇想の系譜展の次にトーハクにふらりとお出かけ。



吉田博「精華」
ステーイ

トーハク恒例春の桜の作品がいっぱいの展示品。ひと足早くお花見です。

ギョ?





パドック?

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