特別展 没後60年記念 川合玉堂ー四季・人々・自然ー | けろみんのブログ

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特別展 没後60年記念 川合玉堂ー四季・人々・自然ー山種美術館にて、12月24日までの開催です。これは特別展ということで山種美術館所蔵作品だけでなく他美術館からの貸し出しが多数あり、川合玉堂の穏やかな日本の風景に心を投じることができました。

川合玉堂は岐阜に生まれ奥多摩に暮らした自然をこよなく愛する画家でした。


初めの作品は山種美術館では一押しを掲げてくるのですが、今回は「鵜飼」岐阜で育った玉堂にとって長良川の鵜飼は故郷の光景だったのです。湿り気のあるくらい灰色に曇る岩山の厳しさと、川へりで篝火を吊るし、鵜を放つ煙の暖かな色合いとの対比が美しい、22歳の頃の作品でした。

同じく鵜飼をテーマにした作品は撮影可能でした。

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「鵜飼」山種美術館蔵

この作品も、暗い岩肌の中に眩しい篝火と白い煙が印象的です。

川合玉堂の言葉

「篝火はあかあかと川面を照らし、ホーホーという舟人のかけ声とともに、鵜匠のたくみな鵜さばきが面しろい。鵜舟の篝火は次第しだいに川下へと下れば、川面はぬばたまの闇にかえり、鵜のねみ そこここに ざわめくのである」


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母とのふたり旅で鵜飼を見学したことを懐かしく思い出しました。

雨、霧、波といった水の表現力が特に素晴らしく画家だと思います。
「夏雨五位鷺図」
晴れ間に照らされた雨が一筋、キラキラの画材を使って光り美しく、いっぺんにこの画家が好きになりました。

・猿を書くために子猿を飼い、1人で寝かすのが可哀想なので毎晩抱いて寝た
・孫にお花があるのに蝶がいないから描いてと言われて「屋根草を刈る」という作品に3匹の蝶を加えた
・知人の家族がなくなると観音像の絵を送った

などという、川合玉堂の人柄の良さを偲ばせるエピソードが多々あり、絵からも滲み出てくるようで胸がいっぱいになります。

特別展ゆえA5判ほどの図録が出てましたので着いてすぐ購入し、解説を読みながら鑑賞しました。

「紅白梅」
琳派を意識した作品で、梅の花の柔らかさがとても良いです。シジュウカラがそこかしこにとまり、愛くるしい。

「悠紀地方風俗屏風」
古典的なやまと絵様式でありながら自転車に乗る人物が添えられ新しさをさりげなく織り込んでいる。
「渓山四時図」
屏風が連結され、右隻から左隻に行く場面にトンネルが描かれ、トンネルをくぐると季節が夏から秋になる感覚がある。 

「春風春水」
流動する水、飛沫や波のモティーフを写生し追求し続けた玉堂ならではの水の動きを堪能できる作品。水に、春の風を感じさせる。農婦の話し合うのんびりした雰囲気もよい。

「御濠之朝」
水鳥の動きが一羽ずつ異なりのどか。

「山雨一過」
通り雨は過ぎたが強い向かい風を受ける旅人たちが小さく描かれている。戦時下の日本にあっても美しく強い自然と困難にも負けず峠を越える人馬の姿は当時の玉堂の心境を表してるのではないかと解説されている。

「高山入冬」
「なにか冬の枯れ木でも、ほんとうは枯れているのではない。枯れた木でも春になると水をあげる。だから枯れ木の枝の先を描いてもそういう魂の入っている枝を描かなくてはいけない」と玉堂は語っていたそうだ。

「遠雷麦秋」
雷雨の近い雲行きに、農夫たちは手を休めることなく1日の仕事を終えようと精を出して労働する。俳句の季語を取り入れた玉堂らしい。

数え上げるときりがありませんがこのような解説とともに作品を観ると感激もひとしおです。
本当に良い展覧会にきたなぁと思いました。おススメです。

おまけ
前日10月27日は母の73歳くらいの誕生日なので、焼肉を食べに行きました。義父も86歳ですが超元気です。
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ビールとワインを飲みながら食べる母と義父に対し、ご飯をもそもそ食べる私に勝ち目なく、大盛りご飯のおかずが足りなくなりました…2人とも食べるの早いよ!

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赤ホルモンよりトロホルモンが美味しい!

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肉単品380円均一は安いし和牛でした。

あと私の旦那さんナマニクさん、この本にレビュー書いてます!よらしくお願いします!


あと来月から映画秘宝に連載が決まりましたのでそちらもよろしくです。

さらに映画と残酷もよかったら買ってくださいな