根津美術館に国宝のお茶碗をみにいきました。
いい天気、素晴らしい紅葉の庭園、国宝の井戸茶碗と国宝のウズラの絵を見る贅沢。
試験終わった日の午後にぴったりなお出かけです。
井戸茶碗というのはこんな形のものです。
16世紀に朝鮮半島でつくられたもので枇杷色という、ほのかに赤みのある黄色の釉薬がかかり、梅花皮(かいらぎ)という釉の縮れが特徴です。
井戸茶碗には大井戸、小井戸、青井戸の3種類に分類されます。小井戸は小さ目、青井戸は形が少し直線的なこんな形です。
これらのお茶碗はおよそ500年前に朝鮮半島から渡来し、戦国武将や江戸時代の茶人に愛でられてきたものです。
割れや欠けは繕われ、釉薬はがれたところは漆で塗られ、重ねて焼いたことによる目あと(お茶碗の中の下にできた痕)、全てがお茶碗の個性となっています。
ずらりと70口並んで遠目には同じに見えるけれど音声解説や説明書きを読みながらじっくりみると人間のように個性様々で自分でも驚くほど見飽きませんでした。
フライヤーのお茶碗は水をくぐらせて大徳寺で撮影された国宝 大井戸茶碗 銘 喜左衛門 です。ゆったり大らかな感じがしませんか?
とはいえこればかりは百聞は一見に如かず、実際見て見ないとよさがわからないかもしれません。
この大井戸は持ち主が腫れ物の病がでるという曰く付きだそうです。
中国宋の時代(12~13世紀)の花鳥画 国宝「鶉図」も観ました。秋の野を鶉が飄々と歩く見事なものです。古くてとても薄くなっているけれど素晴らしいと思います。