日本では飲酒運転についての意識が2002年の道路交通法以降、大きく変わり、
今では飲酒運転で捕まってしまうと社会的に大きな信用を失い、
会社をクビになる事もあると聞きます。
アメリカでの飲酒運転のルールは、日本と比べると大きく違います。
アメリカでは少しくらいなら飲んでもOKというのはよく聞く話です。
アメリカルールに甘んじてちょっと度がすぎると、とっても高くつく事になります。
最悪の場合、ビザが無効となります、
今回はアメリカの飲酒ルールを詳しく解説するとともに、
ビザの発給を受けている私達がどのように対処するべきかを書きます。
DUIとは
酒気帯び運転はアメリカではDUIと言います。
Driving Under Influenceの略で、刑事法違反で捕まり、ほとんどの場合、初犯であれば軽犯罪の判決、4回以上の場合は重犯罪になるそうです。DUIを4回って想像つかないですけど…
抜粋:「加州では、飲酒運転(DUI)は、自動車法(Vehicle Code)第23152~23229.1条に規定されています。血中アルコール濃度0.08%(0.8mg/mL)以上は飲酒運転となり、1回目の検挙でも6ヶ月の免許停止、1,000ドル以下の罰金又は6ヶ月以下の禁固の他、少なくとも3ヶ月間のDUIプログラム(飲酒・薬物に関する教育とカウンセリング)の受講等が義務付けられています。4回目になると、重罪(Felony)となり、4年間の免許取消、1,000ドル以下の罰金又は群刑務所における180日以上1年以下の禁固又は、州刑務所における3年以下の禁固とかなり厳しくなります。」
DUIの基準値
私が住んでいるカリフォルニアでは、
21歳以上で血中アルコール濃度0.08%以上がDUIとみなされます。
血中アルコール濃度は、BACと表されます。
60kg程度の体重の方で1時間に缶ビール3本、ワイングラス3杯、
ウイスキーシングル3杯を摂ると到達する数値です。(個人差あり)
日本では、呼気1リットルあたりのアルコール量0.15㎎で酒気帯び運転です。
これは血中アルコール濃度に換算すると約0.03%。
日本では缶ビール一本でもアウトになる可能性が高いです。
アメリカ社会では、BAC0.08%以内であれば刑罰に問われる事はなく、
非常に厳格にこのラインで有罪か無罪かを判定するそうです。
したがって節度を保てば多少飲んでも大丈夫というのが現地の考え方です。
DUIで捕まると、どうなるのか
アメリカでは現行犯逮捕され、留置所へ送られます。
交通法違反ではなく刑事法違反なので、減点等という小さい問題では済まず、
弁護士をつけて裁判になります。
「家族/知人の帰りが遅い…もしかして飲酒運転で捕まった」
なんて心配されている場合、Who's in jail 調べたいエリアで調べると、
現在収監されている人の情報が探せるサイトがあります。
このようなサイトがある事を考えると、
家族に連絡する時間もなく、留置所(Jail)に送られるんだろうなと想像できます
捕まった場合、重要なポイントは以下の点だと教えてもらいました。
- 怪しい動きをしないで、警察の指示に基本的には従う
- 呼気テスト等のテストは受ける方が良い
- 弁護士と連絡を取りたいと伝え、取り調べ時点では黙秘
- 拘留所ではなく病院で血液検査を受けたいと伝える
- 保釈後は同じ州の弁護士へすぐに相談
カリフォルニアであれば、半年間の免許停止(初犯の場合)、
逮捕後の保釈金、車の牽引量と保管料、
初犯の場合の弁護士費用として一般的に相場は$1000から$3000程度、
弁護士費用に加えて$390-1000の罰金、
更生プログラムや奉仕活動への参加などが科されます。
上の弁護士の他に、ビザステータス等に関する弁護士は別手配が必要です。
もちろん、費用も別途かかります。
AAAによると、初犯のDUIでの罰金およびその他経費の合計は$12,000以上
ビザホルダーになると、もっとかかる事になりますね…
DUIはビザに影響
DUIの刑罰が確定するとビザ取消を言い渡される可能性が非常に高いです。
2015年11月にアメリカではビザ取消に関しての更新がなされ、
アメリカ滞在中にDUI等で罪を犯した場合、ビザを取り消す事が可能になりました。
DUIはアメリカのほどんどの地域で刑法が適用され、
指紋の採取と顔写真が記録として残り犯罪者データベース(NCIC)に登録されます。
登録期間は10年です。
私が日本企業でビザ担当をしていた時に、ビザの代理店担当者から、
実際に飲酒運転で捕まった日本人が、
Jailから保釈されて数週間以内にアメリカ大使館からEメールにて、
ビザ取消の通達を受けたと聞きました。
その本人は弁護士を通じて確認の上、
刑が確定していない状態なのでアメリカ国外に出国しない限りは
ビザは有効であり、I-94の滞在許可期間までは合法的に滞在が可能で、
すぐすぐの強制退去を迫られる事はありませんでした。
しかしI-94の期限までにはアメリカ国外へ出国しなければならず、
出国するとビザは失効となり、ビザの取り直しが必要となります。
初犯で、罰金刑の場合は罰金の支払いが完了し、
全ての回数の奉仕活動を終えていれば、
新しいビザを取得できる可能性は高いです。
しかしながら、VISAが取得できたとしても、
しばらくの間は、アメリカを出入りする時は、入国手続き時に、
別室に連れていかれて、入国審査官のインタビューを受けてからでないと、
アメリカに入国できないそうです。
入国審査官のインタビューは、ある時とない時があるそうですが、
インタビューがあるかもしれないと想定して、
裁判記録等は持ち歩いた方が良いと聞きました。
まとめ
ほろ酔い期(血中アルコール濃度0.05%以上)で運転事故の可能性は
2倍というデータも存在するので、基準値の0.08%に引っかからなかったとしても、
お酒を飲めば事故を起こす可能性が増します。
UberやLyft等で自分が運転しなくても移動できる手段があります。
夫と私も、飲みに行く時は毎回Lyftです。
Lyftのドライバーと話しをして、新規開店のレストラン情報や、
新しい線路が出来る話など、とても有益な話も聞けるし、
$20-$40程度のLyft代で、リスクが軽減できるなら安いし、
Lyftに乗るおかげで、とことん飲めるし、Lyft利用は良い事しかないと思っています。
Lyftの使い方については、こちらをご覧ください。