メッセージを頂き、機長昇格訓練の頃を思い出しました。

あれから18年かな?

長文になりそうです。
真面目にパイロット妻としての経験を書きます。


夫は副操縦士としてB767からB747-400と移行し、B747-400の頃に私と夫は知り合い、交際して結婚しました。

で、普通、この頃はB767の操縦免許を持っていたので、機長昇格訓練もB767だろうと思いきや、まさかのA320での機種移行訓練及び機長昇格訓練!


もちろん勉強、メンタルの維持、大変だったと思います。

このコース、10人訓練生がいらっしゃいましたが、機長になったのは夫を含めて3人です。

その他の方々は後に機長になられたり、副操縦士のままだったり、です。


ですから、この難しい訓練を乗り切った夫には尊敬の念しかありません。

この頃は娘が赤ちゃんで、実家の父が癌闘病中だったため、実家にはほとんど頼れず。

夫の実家も全く頼れませんでした。

私がしたことは
・朝昼晩ときちんと食事を作る(昼はお弁当)
・家を綺麗に掃除する
・何を言われても肯定してあげる
・グチを言わない

このくらいです。

私が出来るのはとにかく勉強に専念出来る環境作りでした。


昔、パイロット妻という記事をアップした時に色々あったとありましたが、この訓練真っ最中に昔の彼女から手紙が来たりしました。

この際、かなりムッとしましたが、夫のせいではなく、勝手に昔の彼女が送りつけてきた、と自分に言い聞かせ、とりあえず訓練の日はフツーに接し、休みの時にギャーっと騒いだことがあります→私、若かった。

そう、思い出した。昔の彼女(手紙の人でない)から散々嫌がらせもされました。

夫のことを気に入っている中年女性からもイタズラ電話もあったな。

その時はかなりムカつきましたが、そこで私も負けない!その時に自分で出来る精一杯の対応をしました→今だったら、もっとすごく反撃が出来るでしょうね(笑笑)!


しかし、今思えば色々な出来事が現在の私を作ってくれ、その一つ一つが全て糧になっていると思います。

この辺より、私の座右の銘、「スルーして虎視眈々」が出てきたのかな?

私、色々な面でかなりしつこいですよ→家族から怖いと言われています。

女は強いのだ!

転んでもタダでは起きないのです!

逆に言うのなら、転んでも決してタダで起きてはダメなのです。

機長昇格訓練終了後、私は当時授かった命を流産してしまいました。

危ない、安静にしてくださいと産婦人科で言われ続けても、小さな娘を抱え、訓練の最後で気が張り詰めている夫がいたら、誰だって自分のことは二の次になると思います。

お腹の子どもに必死で頑張って、と言い続け、その子も踏ん張ってくれたのでしょう。

空にその子が旅立ったのは、パパが最後のチェックがOKで機長になれると認定された2日後でした。

その子も一生懸命にパパを応援してくれていたのでしょうね。

いつかまたママのお腹に必ず戻っておいで、と最後その子に私は言いました。



もう本が書けるのではないか?と思うくらい、機長昇格訓練の頃の笑える、笑えないエピソードはたくさんあります。

思い出したら、また書きますね。

とりあえず、訓練中に一番大切なのはパートナーが心地よく勉強出来る環境を作ってあげることではないでしょうか?

20年以上パイロット妻しているので、たまにはパイロット妻として真面目にお役に立ちたい。

決して綺麗事だけで今まで夫婦やってきたわけではありません。

色んな事を経験したからこそ、穏やかな今があります。

だから私達夫婦がずっと今まで何事もなく、いつもノー天気にラブラブって思わないでね。

人生、bittersweetさ。