【家を追い出されたばーちゃん】がウチに来ちゃった!
~★介護日記★~
母が道で突然倒れたときの、通行人たちの行動は・・・
2年前 母は97歳(要介護1)、デイサービスやお掃除の公的サポートを受ながら、一人暮らし。92歳で腎臓にガンがみつかってからは毎月、泌尿器と内科受診のときには私が付き添っていた。
電車で我が家から1時間半の距離だけれど、待合室では親子でペチャクチャとしゃべり、診察帰りに近くのスーパーへ寄ったりして、私もそれほど苦ではなかった
けれど、さすがに97歳になった頃から、ガンはリンパにも転移、大きくなって、微熱や倦怠感、血尿など症状は進んでいく
その日は夕方の内科の診察を終え、すぐ横の駅のタクシー乗り場までなら歩けるというので、ゆっくり歩いていた時・・・
突然、母が道に、倒れてしまった。
こけたと思ったから、膝の人工関節が外れてもいけないので、慌てて後ろから抱えて立たせたのだけど、母の足に力が入らない
「大丈夫?」と聞いても、「ええー?」みたいな生返事。
母の重みが腕と腰にかかり、支えきれない
気が付くと数人が近づいてきて、
40代位の女性が、すっと支えるのを手伝いながら、さりげなく首に手を当てて、脈を診ている。
50代位の男性が、すぐ横の開店前の居酒屋の扉をあけて
「ここに入れてもらおうか?」と中へ入り、
「店員さんが、店の中で座っていいって」と教えてくれたので、
「では、椅子をお借りしてここ(道)に座らせようかな」
20代くらいの女性二人組も近くに来て、
「救急車を呼びますか?」
40代女性が「どの病院か、希望はありますか?」と私に聞くので、伝えると
「○○総合病院ご希望です」とテキパキ二人組に伝えた後、
道に落ちていた補聴器を見つけて渡してくれた。
(これ、あとで探しに来なきゃいけないところだった)
母は少し意識が回復して、
「あら? 私、どうしたの? え? こけた? 全然覚えてない」
「ちょっと落ち着いてこられたようですね、では」
と40代女性と男性はここで別々に帰って行かれ、私は深々頭を下げた。
20代の二人組は、その後も一緒にいてくれて、救急車が見えると手を振りながら近づいて行って、合図。
救急隊員が出てこられたとき、私と一緒に状況を説明してくれた後、帰って行かれて、私はまた何回もお礼を言った。
母は脳神経外科病院へ運ばれ、「硬膜下血腫」と診断されて入院したが、出血は無事止まって4日ほどで退院。
気が動転して何もできない私に、手を差し伸べてくれた通りかかった人たち
人の温かさに助けられた一日でした