後天性両側性太田母班様色素斑と言います。
メラニンを作る細胞には2種類あります。表皮の基底層(最下層)にはメラニン色素という黒い色素を産生するメラノサイトという細胞があります。このメラノサイトが作るメラニンが多いと皮膚の色が黒くなり、人種による色の違いの原因となっています。例えば、黒人ではメラニンが多く、白人ではメラニンが少ないという具合です。
 メラノサイトは通常表皮に存在し、真皮には存在しないのですが、真皮にメラノサイトが存在することがあります。メラニンの深い所に存在する程青く見えます。この真皮メラノサイトが本体の痣が青アザで、太田母斑、蒙古斑、そして後天性真皮メラノサイトーシスなどがこの中にはいります。
 基底層のメラノサイトと真皮メラノサイトの大きな違いは基底層メラノサイトの中のメラニンは色が付いてなく、周りの基底細胞にとりこまれて始めて色がつきます。真皮メラノサイトの中のメラニンは黒いということです。黒い色に反応するレーザーで真皮メラノサイトを破壊してしまうことが治療の基本になりますが、何もしないでレーザーを照射すると基底層のメラニンで反応したレーザーの熱エネルギーで炎症後色素沈着(PIP)を起こしてしまい、さらにレーザーを打つ事でPIPがますますひどくなるという泥沼状態が予想されます。文献などでも十数回のレーザー治療を必要としています。

当院ではQスイッチルビーレ-ザーとトレチノインを併用することで、PIPを抑え、数回のレ-ザー治療(最短約一年)で治療が終了しています。
普通のシミのように再発する事もないので、是非治療をお勧めしたいと思います。



肝斑、ソバカスなどと誤診されている場合もあります。なんらかのシミ治療中に濃くなってしまったもの、一度レーザーを照射したものの変化を感じられなかったかたは後天性真皮メラノサイトーシスの可能性がありますADM かも?と思ったら、御相談下さい。
お化粧を落として頂かなければ診断が困難な場合もあります。完全個室をご用意しておりますので。

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