『吾妻鏡』の漫画版、読みました
鎌倉時代が今、気になっていたのもあるし、
最近漫画家の竹宮恵子さんの自伝を読んで、面白かったので著作の吾妻鏡に反応していまいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220221/21/tomokochatni/5d/f1/j/o1080081015078272479.jpg?caw=800)
↑左の自伝、すごく面白かったです
また別途感想書きたいくらい!
![音譜](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/038.gif)
そしたら、やはり、読みながらありありとその頃の様相がイメージに浮かんできて、
今読むべき本だったんだなって思いました。
鎌倉時代って、どこかもやもやとしたダークサイドなイメージがある。
それが、ちゃんと、その時代背景とともにその時代の機運を感じながら読むと、
全然見え方が変わってくるのですね。
八幡大菩薩の白旗とともに伊豆から奮い立ったその当時の心もとない小さな蜂起。
それがどれほど困難で無謀なことだったかというのは、
京の都とは明らかに違う東国の風土、
一筋縄ではいかないいまだ荒れくれものの多い東(あずま)武士たち、
平氏の専横(もはや国中平氏の官領でないところはなかったらしい)や力関係を知ると、感じる。
そして圧倒的権威と位の高さで浮世離れした貴族たちと院政。
あらがえないほどの力を秘めているのですね。
頼朝の挙兵からわずか10日あまり。全国規模で平氏への反乱が相次ぎ始める。
各地でいっせいに源氏挙兵が起こったのです。
徐々に、平氏につくか源氏につくか迷っていた浮動票も、次第に『明日の源氏は「買い」だ』と判断。
革命のエネルギーの凄まじい浸透力を感じます。
京都とは離れ武士だけで関東八洲を統べるということ。
それを成すのに、ものすごい知力と人望を得る能力が必要だったのだろうなと感じます。
そして、やはり八幡様のお力
鎌倉に入ったときも頼朝は自分の住まいよりまず先に八幡宮の仮堂を完成させ、
![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
以後ずっと敬虔にお祀りしていたのですね。
あずま女たちも京都とまた気風が違って御簾に後ろにおとなしくはしていなかったらしい。北条政子さんの介入力。
その一連の流れを読んでいて、そこにひょっこり義経があらわれると、
確かに、自分の中の評価がじわりと変わるのを感じる。
別の時代なら文句なしの英雄で終わったかもしれないが、
この時代でやっていくには、確かにどこかおぼこい、時代に飲まれてしまいそうな危うさを感じている自分がいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220221/21/tomokochatni/72/4b/j/o0810108015078272496.jpg?caw=800)
ほんと大天狗の化身のようだ![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
![キラキラ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/088.png)
源頼朝の一つ一つ物事の裏や先を見通した言動が、ここまで気を遣ったものだったということが、吾妻鏡を読んで
見て取れました。
ものすごい知力と力ずくでも人望を得る能力が必要だった。
それがいい悪いは抜きにして、その時代の荒ぶるばらばらのエネルギー濃度の中をいくのに、
統率する側が身に着けるべき不可避の能力だったんじゃないかと感じる。
法皇お得意の、位撃ち(相手に位官を与えて骨抜きにすること)に乗せられないとか、
戦況の書簡のやり取りだけで御家人を制御するとか、
そういうことを細やかにやっていたのですね。
地の時代から風の時代に入った今。
同じく、鎌倉時代が地→風に移った時代にあたるということで、
機運に似たところがあるのかなとも感じてみました。
ちょうど、
一瞬地から風に切り替わる前年の1185年に平家滅亡。
後完全に地から風に切り替わる頃に北条氏の傀儡将軍を立てる執権政治スタート。
(源氏3代(特に3代目)までは朝廷をまだちゃんと立てていた。)
個人の目覚めというよりは、武士の目覚め。
雇われ傭兵クラスからの自立。
少なくとも武士、武家のための地位・ネットワークと式目(法)ができた。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20220221/21/tomokochatni/80/8d/j/o1018108015078274616.jpg?caw=800)
鎌倉時代の風の星は今の水瓶座ではなく天秤座だそうです。
どこか、積年のつもり積もった固定されてしまった偏りを崩して、
西側と東側、民衆・公家・武家、というように、バランスよくしていくための地ならしが起きたようにも感じる。
そして頼朝さんや執権北条氏って、全然クリーンじゃないけれど
、とても理性的で知力、コミュ力を使っている。
![真顔](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char4/622.png)
それでいて、源氏3代以降の北条氏の執権政治って、
完全なるトップに君臨するというよりは、
あくまでも執事レベル。そこから将軍を操り、朝廷の力は押さえていくやりかた。長続きはしないのだけど、
そこにもこの時代独特のものがありますね。
そして大局で見ると、武士が実権を握っていないと2度の元寇には立ち向かえなかったのかもしれない。
吾妻鏡、今読んで良かったです
。
![ニコニコ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char2/139.gif)
革命のエネルギーの凄まじい浸透力、
そのときそれを成すのに、必要な能力・要素というのは今と全く違っていたりする。
武士の目覚めが拓いた世界、八幡大菩薩様は何を問いかけていたのだろう。
ビコーズ
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