初めて行ったのは、ほぼ1年前。 木々に囲まれた秘境にあるスタジアムに、今年も行ってきました。
小鹿野町総合運動公園野球場!
とにかく自然がいっぱい。トイレにはかたつむりがいて、外野スタンドでスコアブックを広げればペンケースには蟻が入ってきて・・・なかなか、大変でした。
前に書いたように到着までにはえらく時間がかかってしまい、西武秩父駅からの路線バスでようやく辿り着いた頃にはすでにスターティングメンバーが発表されてしまっていました。
一: 1.左:
伊志嶺翔大
中: 2.三:
翔 太
指: 3.中:
荻野 貴司
左: 4.遊:
細谷 圭
右: 5.指:
神戸 拓光
二: 6.捕:
小池 翔大
三: 7.二:
高濱 卓也
捕: 8.一:
蔡 森 夫
遊: 9.右:
生山 裕人
投: 先発P:
吉見 祐治
個人的には両軍とも、驚きのスタメンでした。なんでしょうこの魅力的な下位打線は! ファーム公式戦ではスタメンはおろか出場もままならないモリオこと蔡森夫が8番ファースト、そして9番にも背番号「130」、生山裕人が入るのです。とにかく俊足の生山、これまた俊足の伊志嶺が両翼を固め、扇の要に荻野貴司・・・まさに攻撃的守備陣形! 攻めて、捕る!
そして西武・・・おお、浅村栄斗に佐藤友亮に高山久に坂田遼、みんな二軍だったのですね。
そしてピッチャー、吉見祐治。閣下、奥秩父で投げている場合ではない・・・一軍はすでにビジター交流戦を振替の神宮のみとなっていますので、今年は吉見祐治の芸術的なバッティングは見ることはできなさそうです。。。
さて試合。
西武の先発は、なんとドラフト2位の小石博孝でした。先日一軍のマウンドでも初勝利を挙げてお立ち台で俳句を披露した個性派ルーキー。これまた、フォームも個性的でした。テークバックでなぜか止まっちゃうのです。そして腰もそんなに落とさず、むしろ立ち投げ・・・しかしそこからバヒュンとしっかり投げ込むのですから、本当に不思議。マリーンズの1番・伊志嶺、2番・翔太はあっけなく凡退します。
しかしでした。
そしてここが小鹿野球場! まずは太鼓がどどどどどどどどどとホームランを祝い、最後に白昼堂々の・・・花火(笑)。これは驚きました(昨年の角中のホームランのとき、そんなのなかったぜぇ)。幸先よく先制したマリーンズ、やはり首位驀進しているだけのことはあります。・・・と、思ったのですが。
吉見祐治が全くをもってよろしくない。。。先頭の浅村こそは完全に体勢を崩させての三球三振に仕留めたものの(浅村、もの凄い不恰好な空振りでした)、新進気鋭の石川貢には右中間あっさりぱっくり・・・
そしてノーマル佐藤、すぐさま逆転の2ラン。試合開始わずか15分で、花火またまた放出・・・
そして3回には浅村、石川、佐藤3連打でまたまた失点、挙句の果てにはその後の一・二塁、重盗を決められるわ暴投は犯すわで石川ホームイン、さらに高山久にも都合4連打となるタイムリーを浴びてしまい、試合を完全に壊してしまいました・・・ああ、なんとも残念な吉見の独り相撲。ここまで3勝無敗、一軍昇格間近とも思えたのですが、ここ秩父でまさかの後退となってしまいました。吉見か結局3回で降板し、4回からは昨年一軍で先発も務めた阿部和成が登板したのですが、今度は高卒ルーキー永江恭平にタイムリーを浴びてさらに点差は広がってしまいます。
5回終了時点ですでに1-6、西武リード。ここは埼玉ですのでもちろんスタンドは盛り上がります。ハーフタイムには本庄高校(だったかな?)のチアリーディングチームが昨年に続いて盛り立てます。
そして6回、3番手は左腕・植松優友。今季は故障から復帰してようやく投げ始めています。しかしこの回の先頭・美沢将にヒット、岳野竜也に四球とピリっとせず。そしてレフトスタンド芝生のファンは西武ドーム同様、男女混声のあのチャンステーマを歌います(が、ファームで応援歌歌う勇気のある女子があまりにも少なかったか全くいなかったか、女子パートも雄雄しい声でした)。
「ああ、女子の声聞きたいぜ」
浅村栄斗、怒りのスリーランでした(なんでやねん)。ここでもう9失点目・・・その後も植松またまたフォアボールを出すなど全く締まらぬ試合になっているのですが、4番高山が放ったテキサスっぽい当たりに対し、センターオギタカがスライディングキャッチ! だれた試合の中で、輝きを見たような気がしました。オギタカ、本当に復帰近いのではないでしょうか!
(なおここまで全く触れていませんが、打線のほうは2回以降沈黙・・・西武・小石は神戸にヒット許したもののまさにそれだけ、7回まで許したのはオギタカアーチとこの神戸ヒットのみというものでした。なかなか素晴らしいピッチャーです)なお、念願のスタメンとなったモリオ、生山の両選手も打撃においては全く結果を出せず。。。ここ、アピールせねば!
そんな中、ここ小鹿野が盛り上がったのは7回表でした!
ここで地元・秩父出身の黒沢翔太、凱旋登板を果たします。昨年は実現しなかったのですが、いよいよ今年は小鹿野のマウンドに黒沢! 周囲からは異例の「くーろっさわっ!」コール。内野席には「KUROSAWA・121」のオリジナルTシャツを纏ったファンも何人かいました。
この黒沢の特徴と言えば、キレのあるボールをしっかり投げ込めるサイドハンド。この日もそのフォームは非常に美しかったです。まずはペヤング坂田、10球粘られますがセカンドゴロ。そして林崎遼の代打・鬼崎裕司にはヒットを打たれますが美沢、岳野はそれぞれ打ちとって無失点。これまでピリっとしない投手陣の後にあって、初めてピシャリと抑えたものでした。イニング終了時には再び「くーろっさわっ!」コールが飛び交いました。
試合は8回から登板した西武・山本淳の前にマリーンズ打線はやはりヒット放てず、代打・角晃多も結果を出すことができませんでした。しかし9回、最後の最後にオギタカが2本目のヒットをなるツーベースを放ってくれました。この日のオギタカ、3打数2安打1四球(1本塁打)。ただ、走塁でミスを犯します・・・細谷圭のショートゴロで二塁走者のオギタカ、なんと飛び出してしまいタッチアウト。ここはまだまだ試合勘を養う必要があるのかもしれません。
最終回、西武・山本の乱れで塁を埋めたのちの高濱卓也の犠牲フライでようやく2点目を得るものの、結局それまで。
(6月10日・小鹿野町総合運動公園野球場)
:100 000 001=2
:203 103 00X=9
(ロッテ6勝2敗)
【ロ】吉見(3回)-阿部
(2回)-植松
(1回)-黒沢
(1回)-山本一
(1回)=小池
・青松
【西】小石(7回)-山本
(2回)=岳野
勝:小 石(4勝2敗0S)
敗:吉 見(3勝1敗0S)
本塁打:【ロ】荻野貴3号(1回小石・ソロ)/【西】佐藤1号
(1回吉見・2ラン)、浅村2号
(6回植松・3ラン)
盗塁:【西】石川、佐藤
、永江
負けてしまいました。実はこの敗戦、町田ロッテが初めて目にしたファームでの敗戦でした。試合としては、やはり投手があまりにも乱れすぎました。ここは次戦においてはなんとか修正した姿を見せてほしいと思います。
試合後の黒沢翔太選手。地元のお友だちが集まって談笑していました。これは嬉しかったでしょう。持たされた団扇には「くろさわおかえり」の文字。秩父のファンにとっても、プロ野球選手・黒沢は誇りです。
ここは是非とも、支配下登録を勝ち取ってほしい! この日も好投したように、あのサイドハンドはきっと武器になります。
さあ、夢をつかみとれ!
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