1月29日と30日は

日本教育会館で「地方議会議員政策セミナー」を受講してきました。

「自治体財政の基礎講座」で学んだことを書いておきたいと思います。


先生は立命館大学の森裕之先生でした。

先生はチャキチャキした関西弁で面白い人です。地方自治体の財政は難しい言葉がいっぱいで分かりづらいけれど家計と同じだと言い切ってくれました。

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自治体の財政で需要なのは「一般財源」であり

これが自由に使えるお金

中身は地方税と地方交付金です。

分かりやすい例えがペットボトルにお茶が入っている状態で

ペットボトルのサイズが自治体の規模(人口)で

お茶がそこに地方税が入っていて

上(国)から新たに注ぎ込まれるお茶が地方交付金だと。

 

間違えやすいもので「留保財源」というのがあります。

地方税の税収が増えると国からの交付金は減らされます。

しかし100%ではなく75%しか減らされません。

税収が増えても交付金はその増えた分の25%は貰えるので

税収が増えても損はなし。やっぱりお得。

この留保財源25%も一般財源の一部で

自治体が好きに使えるお金です。

 

自治体財政の唯一無二のルールは赤字にしないことであり

赤字にしなければ何をしてもいいとも。

このままでは赤字になりますよ~という状態を

財政危機」といい実際に赤字に陥った状態を

財政破綻」といいます。

 

赤字になるというのは歳入より歳出が多い場合です。

自治体は予算を組んでお金を使うので

基本的には黒字のはずです。

予定していたお金が入ってこなかったなど

エラーとかトラブルで赤字になることはあっても

それ以外で赤字になるとしたら

そんな予算を議会が許しているということです。

 

自治体の歳入には基金からの繰越金
つまり貯金をおろして使った分が入ることがあります。

 

黒字には2種類あって

普通に使うお金が足りている場合と

足りないんだけど基金(貯金)で間に合わせた黒字があります。

基金が底をつけば自治体は財政破綻します。

 

黒字がある場合にそれを住民サービスに使うのか

基金にとっておくかは政治の判断になります。

黒字があまりに多いというのは

住民にとって良くない状態なのかもしれません。

 

基金は3種類あって

何にでも使える財政調整金

借金の返済に使う減債基金と

特定の目的に使う徳的目的基金があります。

 

多くの人には関係ないので忘れてと言われたのが

政令指定都市や府や道の借金で

普通は借金はコツコツ毎年返していくものなのに

大都市では何故か借金が満期になったときに

返せばいいとなっていて

30年ローンを30年目に全額払うような感じです。

支払いは後でも、その分を積み立てていかねばなりません。

しかし、積み立てができずにお金を使ってしまうこともあり

北海道や京都市は基金が全部なくなってしまっているそうです。

恐ろしすぎて忘れられません。

 

何にお金を使うのか

何を優先させるのか

答えはないので

話し合って判断し、決める。

それが政治だといいます。

 

あれこれ要望ばかり出すのは

その辺のおばちゃんにでもできることであり

相手の状況を分かって話し合いをするのが議員だと。

カネがないと言われて引き下がってくるのは

財政が分かっていないからだと。

 

これはけっこうグサリと来ました。

市民の声を議会に届けるだけじゃ駄目なのね。

確かにそうです。仰るとおりです(T_T)

数字を語れなきゃ~(T_T)

 

自治体財政を知るには

財政状況資料集」というものが有り

全国各地の自治体財政がこれに全部書いてあるのでした。

しかも自治体当局の分析まで載っており

なぜこの様な財政状況になったのか

自治体の認識までもが分かるのでした。

 

先生はこの資料を使わない手はないと言っていました。

自分の自治体と人口の同じくらいの自治体を見比べて

自分なりに分析すると分かってくると言います。

 

セミナー2日めの午後の部は人口の同じくらいの自治体の受講生と

グループディスカッションの時間になっていました。

川口市とグループになったのは宇都宮市と高崎市でした。

財政状況資料集をプリントアウトしたものを見比べていました。

川口市の財政状況は良いです。

しかし物件費が類似団体62個中62位でした。

どうも民間委託が多すぎるようです。

 

 

 

宇都宮市の方にライトレールの話を聞いて

こちらも川口の美術館建設とリリアの改修とそごう跡の商業施設の話をして

駅前ばっかり開発してもね~~ってな共感をしあいました。

 

とても良い講座でした。