Oxford Bookworms Library: Level 3

単語数: 10,245

ページ数: 79

CEFR: B1


邦題『ドリアン・グレイの肖像』

オスカー・ワイルド著


【本の説明】

「人が喜びを感じる時、それは良い行いをした時だ」とヘンリー卿は言う。「だが良い行いをした時に、常に喜びを感ずるとは限らない」。ヘンリー卿の規範にとらわれない気のきいた言葉の数々が、若いドリアン・グレイを善良であることよりも美しいことに意味のある世界―例えば、パーティーで人を喜ばすという理由があれば何でも、殺人さえも許される世界に導いてしまう。

 Oxford University Press商品説明より~ 


久しぶりにOxford Bookworms Library から一冊、イギリス文学作品を読みました。


19世紀末のロンドンが舞台。

絶世の美青年であるドリアン・グレイに対して、ヘンリー卿は次のように言います。


You have a wonderfully beautiful face, Mr Gray. It's true. Don't shake your head at me. And there's nothing more important, more valuable than beauty. When your youth goes, your beauty will go with it. Then you'll suddenly discover that your life is empty there will be - nothing to enjoy, nothing to hope for. Time is your enemy, Mr Gray. It will steal everything from you. People are afraid of themselves today. Afraid to live. But you, with your face and your youth, there's nothing that you cannot do. You must live! Live the wonderful life that is in you! We can never be young again. Youth! Ah, there is nothing in the world as important as youth!


これを聞き、いずれ歳をとり醜くなることを恐れたドリアンは自分の肖像画を見ながらある願い事をします。そのことが彼の人生を大きく変えてしまいます。


「グレートギャツビー」の派手さと、「ジキルとハイド」のような不気味さが感じられる内容でした。


心理学の世界では「自分の外見や体格に極端な自信を有し、身体的な老化や精神的な成熟に対応することができない状態」をドリアン・グレイ症候群というそうです。化粧品やエステ、減量や育毛、美容整形などに極度にお金を注ぐという行動パターンがあるとされています。


いつまでも若く美しくありたいという人間の欲望、そして幸福とは何か。普遍的なテーマですね。

人間の性質をよく描いていると思いました。


【この本で学べる単語】

Prince Charming

opium

portrait 

など