今回は、「教育」について。吹田市における「不登校」や「特別支援教育」の取り組みについて同市教育センター職員の方々のご協力で、講演いただいた。
本年度から本格的に実施されている特別支援教育は、「発達障害」をはじめ、特別な支援を必要とする児童・生徒に対し、一人一人のニーズに応じた支援をや連携を行うもの。
吹田市での対象者は小学生が約1288人、中学生は約529人となっており、全体のおよそ6.3%である。
同市ではすでに15年前から「光の森」活動や家庭訪問活動が行われている。学生による「光の森フレンド」をはじめ、教育センタースタッフが、北千里公園内のキャンプ施設(吹田市青少年野外活動センター)を利用して”学習という行動に踏み出し、将来への扉を開く”ためにと、子どもたちに寄り添っている。この事業の年間予算は1150万円。来年度、さらに
「学びなおしのできる学校(仮称)」事業を検討中とのこと。
今後の課題として、中学卒業後の受け皿が用意されていないことがある。自立し、社会参加をして就労につけるまでの本人や家族の相談体制が不可欠。現在、吹田市では「光の森」学生スタッフ経験者がNPOを立ち上げて、10年になるが、人口34万人の吹田市ではニートやひここもり状態の市民は約1000人いると推定されている。その人たちも年々高年齢化して30~40歳台もめずらしくない状態で、深刻な問題となっている。
家族や周囲の理解が必要であるが、彼らを支えるための行政の支援はゼロである。
以上の課題は箕面市とて例外ではない。
財政難というご時世ではあるが、ひきこもりが「自然に解消されることはありえない」ため、まず小中の段階でしっかりと対応していかなければならないし、義務教育終了後も、自立して社会参画できるための支援体制の整備が必要である。
「安心して暮らせるまちづくり」とは、このような課題も当然、含まれていると考えている。