9月議会の焦点。
7日の民生常任委員会では、福祉施策に取り組む市の理念をめぐり、議論になりました。市の利用者負担軽減策と軽減にむけた一定の努力は評価するが、根本的に法律の趣旨に沿った施策を行うべきであり、もともとの法律が法の趣旨と矛盾する運用がなされている場合は、市独自の施策については市の理念に基づいた施策展開を行うべきであると思います。
また、市民から提出された箕面市立病院に対する「請願」について審議しましたが、結果は3:2で否決されてしまいました。
市民の切羽詰った願いを議会はどう受け止めるのか、が問われましたが、市民の立場に立つのではなく、病院の都合を配慮した意見や、国への意見書の結果を待ってからでよいとする後ろ向きな意見、「請願」ではなく「要望」で事足りるのでこの請願は否決、という本末転倒、後ろ向きでやる気のない意見のオンパレとなりました。選挙のときなど「市民のために」とか「市民の目線で」などと公約していた議員の手のひらを返すような態度は、「残念」のひとことに尽きます。この請願などは会派の壁を越えて、超党派で一致できるものだし、実現すれば画期的であると考えていただけに無念でなりません。今の箕面市議会の多数派の方々の本質があらわになったようです。
介護保険法の改訂により、この10月から介護認定を受けている軽度の高齢者は福祉用具、とくに電動ベッドのレンタルが適用外となってしまいます。これまで1割負担だったものが、10割負担となるわけです。担当職員らの尽力もあり、実際には2割程度の負担額で借りることができそうな気配とのことで、利用者の負担が少しでも少なくなりそうなのはありがたいことです。
しかし、ここで考えないといけないのはこのたびの介護保険制度は「介護予防」つまり、極力元気な高齢者、寝たきりにならない高齢者を増やしていくことを目的として改正されたものです。その法律の趣旨にのっとり、しかるべき立場にある人の証明があれば、貸与できるよう配慮すべきでしょう。国の施策が法律の趣旨に反している以上、「仕方がない」とするのか、あるいは自治体の判断で横だし施策を検討するのか・・・市の理念が問われる問題です。適切な介護予防策は長い目で見たら、寝たきり・症状の悪化を防ぎ、ひいては市の支出の抑制につながるのではないでしょうか。
このたびの税制・医療制度の改訂で、高齢者の生活は極度に圧迫されます。それでなくても大変なのに、介護家族を支えていかねばならない世帯の負担の大きさは言葉に尽くせません。
経済的にゆとりのある高齢者とそうでない高齢者。高齢社会においても大きな格差があります。弱者の切捨てにならないために行政としてできることについて、(セーフティネットをどの辺りまで設定するか)しっかり議論すべきです。「市の財政も枯渇してきたから」という理由で、一律福祉予算もカットするというのは、憲法25条や箕面福祉のまち総合条例にも反することになります。
また、同様に「障害者自立支援法」をめぐり、国策として「応能負担」から「応益負担」へと大きな転換が図られたことについて、自治体独自の施策については「応能」を貫くべきであり、「自立」につながっていないこの法律の矛盾について市の立場(これまでの「障害福祉施策」)を後退させるべきではない旨の議論となりました。
この法律は障がい者の「自立」を促進するものであるにもかかわらず、実際には体制が不十分であり、自立はおろか、障がい者の社会参加も阻むものとなり、全国で抗議と改善を求める声が相次いでいます。
市も国に対して要望を出しているとのことですが、いまだ政省令などが流動的で定まらないこの法律を変えていくためにも、市独自の冷静な対応を望むものです。
同委員会の議論のなかで、市は前向きな検討を約束してくれました。
今後とも、箕面市が市民にとって「優しい安心できるまち」でありつづけられるよう議論を重ねていく必要があります。