損をしても、カフェオレは温かい(前半) | luneaura

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身体・心・エネルギーを整え、本来の自分の色を見つけ、人生の体験の中でその色を育てながら生きることを大切にしています。

職場のデスクの隅には、いつも個包装の小さなチョコレートがいくつか転がっている。


仕事が行き詰まったとき、あるいは、飲み込みたくない言葉を飲み込んでしまったとき。カサッ、とビニールを剥く音は、私だけの小さな深呼吸だ。


今日も、会議で空気を読みすぎた気がする。

本当は「それは少し難しいです」と

言いたかったのに

周りの顔色をうかがっているうちに、

私の口は勝手に「大丈夫です、やっておきます」

という言葉を選んでいた。


相手は、それがさも当然のことのように

「助かるよ」と軽く手を上げて去っていく。

私の「優しさ」は、いつの間にかこの職場では、

壁紙のように当たり前の景色に

溶け込んでしまっている。


無糖のホットカフェ・オ・レを一口すする。

ミルクの膜が喉を通る感覚を確かめながら、

またひとつ、小さなチョコを口に放り込んだ。



「ちゃんとしなきゃ」

その言葉は、誰に言われたわけでもないのに、

いつの間にか私を縛る頑丈な鎖になっていた。

完璧に準備を整えてからじゃないと、

一歩も前に進めない。

「今はまだその時じゃない」

なんて自分に言い訳をしているうちに、

要領のいいあの人は、まだ半分しか荷物を持っていないはずなのに、軽やかにスタートを切って、

ずっと先を走っている。


なんであんなに、うまくいくんだろう。


置いていかれる自分にモヤっとして、

情けなくて、それでいて、

そんな風に自由に振る舞える

みんながどうしようもなく羨ましい。


カフェ・オ・レはまだ温かいけれど、

心の中には冷たい泥のような羨ましさが、

ゆっくりと溜まっていくのがわかった。