「アイディアはうんちみたいなもの。」
彼はこう言い放った。
その表情からして、そこまで深くはなさそうだなと俺は読んだ。
発言に濁りが一つも無かった。
高二の時に、大学・就職セミナーツアー、言わば社会科見学の様な行事が
あったのだ。
公的行事な為、野球部員も強制的にツアーに同行した。(当時、硬式野球部所属)
練習を返上して、学校行事への参加。しかも都内へバスツアーと来たもんだ。
先輩、後輩を尻目に観光バスのステップへ掛けて行った。
あの日の太陽は、僕にだけニコッと笑っていた♪
そして僕は太陽に向かって、華麗にウインクを飛ばした。二回。
そしたら隣の火星が嫉妬した・・・。
話をうんちに戻そう。
つまりだ。
出さないと体がおかしくなってしまう。だから溜めずにどんどん外に放出しましょう。
と、云う事。
アイディアもそのうんちと一緒で、普段から溜めずにどんどん出して行きましょう。
これは、都内のある映像系専門学校の校内案内ビデオに非常勤の先生たちが
それぞれの感性を示しながら、見学しに来た団体や生徒たちに教えて、心を掴み、入学の後押しをしてくれるアシストVTRであった。
俺はこの時、この先生の話が凄く単純な例えなのに、妙に説得力が有り、
心を鷲掴みにされた瞬間だった。
アイディア=ウンチ
こんな組み合わせが世に存在してしまうなんて。
それから、常にアンテナを立て自分を俯瞰から見れるよう努めてきた。
個性の中のそのまた個性の世界に身を投じ、大東京で生きている、仕事をしている。
これから先、どんな形で自らの存在証明を打ち出せるか!?
まだまだ、冒険はつづく
友一